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3ステージモデルからマルチステージモデルへ

3ステージモデルからマルチステージモデルへ

最近までは人生を「教育を受ける期間」「仕事で収入を得る期間」「退職し余生を楽しむ期間」と3つのステージに分けて人生設計をする考え方が一般的でした。たとえば「○歳までは○○大学で学び、60歳まで○○社で働き、退職後は趣味の○○を楽しむ」のような考え方です。

しかし、学び方も働き方も大きく変わっており、人生を3つのステージで考えるのではなく、1つの人生として同時に複数のことを楽しむマルチステージモデルが一般的になりつつあります。

教育と仕事との両立

「文部科学省:学校基本調査」によると大学を卒業した後の進学率が、2000年に6.8%程度だったものが2022年では11.4%と高くなっています。学ぶ期間が長くなっている点は大きな変化です。

さらに、教育を受ける期間中に同時に仕事をして収入を得るケースも増えてきました。依然としてアルバイト禁止などの校則があり働けない場合などもありますが、ここでいう「仕事をして収入を得る」とは起業を指します。大学生での起業などは以前からもありましたが、最近では高校生や中学生での起業も増えており、ネットで検索すると事例はいくらでも出てきます。もちろん学校側の承諾を得る必要がありますが、学校でも社会学習の一環として企業などで1日働く体験をする体験学習などが実施されていことから、意外と条件付きで承諾が得られるケースも多いものです。

仕事と趣味の両立

老後は○○をして楽しむ…とはいえ、何歳から老後?仕事は本当に60歳で辞められるの?という疑問もありますが、元気なうちに好きなことをして楽しみたいという人が増えているのが実情でしょう。ワークライフバランスなどという言葉が世の中に登場したように、仕事をする期間と好きなことをして楽しむ期間を分けるのではなく、バランスよく仕事と趣味を両立させようという考え方です。

また、働き方も昔のように嫌なことが多少あろうとも「1つの会社に骨を埋める」ことが正義とされていた時代は終わり、自分らしさや働く環境や改善を求めて転職することが一般的です。ここ数年ではリモートワークも確立されてきたことから、働き方についても今後ますます大きく変わっていくことでしょう。

老後というにはあまりにも長い

1960年代のように男性の平均寿命が70歳にも到達しない時代には60歳で仕事を退職し、あとは余りの人生ということで「余生」を楽しむ考え方で良かったのかもしれませんが、1970代には平均寿命が70歳を超え、2013年にはついに80歳を超え、厚生労働省が発表する2021年分の簡易生命表の概況によると2021年における日本の平均寿命は、男性が81.47年、女性が87.57年となりました。仮に60歳で退職すると、男性は21年程度、女性は27年程度を余生とすることになり、「余り」の人生というにはあまりに長いと言わざるを得ません。

老後といえども働かないといけない

平均寿命が延びれば、その分生活費もかかりますし、医療費だってかかるかもしれません。公的年金は現役時代の働き方や収入により異なりますが厚生労働省年金局が発表する「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の1人当たりの平均受給額(月額)はおよそ15.4万円です。夫婦が正規従業員として共働きだった場合は世帯で30万円程度の月収ですから、生活するのには困らないかもしれませんが、単身者の場合は15万円の月収では生活できないため、それまでに貯めたお金を取り崩しながら、あるいは働いて収入を得ながら生活するほかありません。

仮に1ヶ月の生活費が25万円だとすると、公的年金で15万円が用意できた場合、毎月10万円の赤字を60歳から男性の平均寿命までの期間(21年とする)補填するためには、退職時点に2,520万円を用意しておかなければなりません。ましてや退職後に趣味などで楽しむ場合は、その費用も貯めておかなければならず、退職時点の貯蓄額は3,000万円以上なければ楽しい老後とはならないかもしれません。もしそれだけの貯蓄がなければ働いて収入を得るしかなく、結局は老後といえども「働く期間」の延長になる可能性が高まります。

マルチステージモデル

マルチステージモデルでは、若い時から勉強をしながら収入を得る活動をし、学校を卒業した後は働きながらも人生を楽しみ、そのままの延長で天寿を全うするという、期間の区切りにより行動を変えるのではなく、いろいろなことを同時進行させたり、順番を入れ替えたり、自分なりのライフプランを作っていく必要があります。

そう考えると住宅購入も、本当に購入すことが正しい選択なのか?本当にこの物件で良いのか?を考える必要が出てきます。ライフプランの無い住宅購入は単なる衝動買いに過ぎず、将来「なぜ住宅を購入してしまったのか」と後悔してしまうかもしれません。

「欲しいから買う」のではなく「必要だから買う」と考え方を改めてみてはいかがでしょうか。

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