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住宅会社(建築会社、住宅販売会社、不動産業者など)は住宅ローンについてアドバイスをしてくれますが、何を基準にアドバイスをしているのでしょうか?またローンを借りる側の生活者は、そのアドバイスをどう受け取れば良いのでしょうか?

売り手側である住宅営業担当者と銀行

住宅営業担当者が「○○銀行の××という住宅ローンが良いですよ」と勧めたことを受け、お客様が○○銀行に行って話を聞くと、銀行の担当者も「いま××ローンが一番人気で、ほとんどのお客様が××を借りています」と言われることがあり、お客様は住宅営業担当者(=住宅のプロ)も銀行(=ローンの専門家)も口を揃えて言うのだから間違いないと思ってしまいます。

しかし、これは××という住宅ローンが良い商品だから勧めているのではなく、住宅営業担当者も銀行も生活者からみれば「売り手側」であり、××ローンを勧めることはお客様ではなく、売り手側にとってメリットがあるから勧めているケースが一般的です。

住宅営業担当者と銀行は互いに協力関係

銀行は住宅会社から住宅ローン案件の紹介を得るため、住宅ローン商品や顧客へのアドバイスの仕方、ローンの手続きや帳票の記入例など、住宅会社の営業担当者として必要なローン知識を無償で提供しています。銀行は売りたい住宅ローン商品を住宅会社にも勧めて欲しいので、銀行が住宅会社に行う住宅ローンの研修や勉強会は銀行側に都合の良い偏った内容になることが通常です。

住宅会社の営業担当者は、こうして得た知識を顧客にアドバイスするのですから、ローンを借りる側は金融機関からローンを勧められているのと同じ状況になります。ただし、特定の金融機関から直接ローンを勧められるのではなく、中立にも見える住宅会社からローンの斡旋を受けるので「住宅のプロが勧めるローンだし、銀行も同じことを言っていたから間違いない」という印象になりやすいでしょう。

統計では住宅金融支援機構が実施している「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2019年度第1回調査)】」によると、民間住宅ローンを借りた方の中で、住宅ローンを利用するうえで役立った情報源は?という質問に対し、住宅・販売事業者が最多の40.0%、金融機関は20.6%、モデルルームや住宅展示場が7.2%ということで、住宅会社のお勧めは金融機関のお勧めだとすれば、実に半数以上の方はローンを貸す側が勧めるとおりに借りているという実態が見えてきます。

みんなはどんな住宅ローンを借りている?

「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2022年10月調査)】」によると、借りた住宅ローンの金利タイプは、変動金利が69.9%、固定金利期間選択型が20.1%、固定金利が10.0%となっており、全体の9割が将来に金利が変わる可能性のある住宅ローンを借りています。

しかも変動型を借りた方の中で、金利タイプによる商品特性(金利がどういうルールで変わるのか等)を「理解しているか不安」「よく理解していない」「全く理解していない」という方が合わせて約41.2%という結果です。これは、多くの方が住宅会社や金融機関を妄信し、金利変動リスクをよく考慮せず金利の変わる可能性のあるローンを借りてしまっている実態を浮き彫りにしています。

金利上昇に伴う返済額増加に対しての対策は?という質問に対しては、45.2%の方は金利が上昇してもローンを完済できる明確な根拠を持っているようですが、それ以外の54.8%の方はローン返済を継続できる明確な根拠が無いようです。特に一部繰り上げ返済で金利上昇を乗り切ろうという方が多いようですが、100万円の繰り上げ返済で返済額がいくら軽減できるか試算したこともない方がほとんどです。

変動金利と固定金利はどちらが良いのか?

結論を言えば「変動金利で大丈夫か?」と僅かでも心に不安がある方は固定金利を選択すべきです。また、自力で住宅ローンのメンテナンスができない方にも固定金利をお勧めします。どちらが得かは今後の金利により異なるため返済完了までわかりません。つまり、損得では断定的な判断ができないのが住宅ローンなのです。※詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

変動金利?固定金利?迷ったときはご相談ください。家計の状況や家族構成、世帯主や配偶者の考え方、資産状況や職業など多角的な視点でアドバイスを致します。

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