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2024年7月3日【新紙幣発行】キャッシュレス!?それとも現金!?

2024年7月3日【新紙幣発行】キャッシュレス!?それとも現金!?

2024年7月3日、日本では新しい紙幣が発行されることが予定されています。詳しくは政府広報オンラインをご確認ください。

これに伴い、現金とキャッシュレス決済の関係について再考する機会が訪れました。現金を主に使っている人々やキャッシュレス決済を積極的に利用している人々、そしてその両者を併用する人々、またお金を受け取る側の業者など、それぞれの立場から見た現状と未来の展望を考えてみる必要がありそうです。

キャッシュレス社会への移行

経済産業省は、キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にするという政府目標の達成に向け、関係省庁と連携しつつ、キャッシュレス決済の推進に取り組んでおり、キャッシュレス決済比率を定期的に算出・公表しています。2023年のキャッシュレス決済比率は、39.3%と2025年の4割達成に向けて堅調に上昇しています。

我が国のキャッシュレス決済額及び比率の推移(2023年):経済産業省のHPより引用

目標としているキャッシュレス決済比率はクリアできそうではありますが、実態としてはクレジットカードが大半を占め、その他のキャッシュレス決済はまだまだ一般的とは言い難い状況です。

現金の役割と新紙幣の意義

まず、現金が持つ意味について考えてみます。現金はその物理的な存在感から、支払いや貯蓄において信頼性を感じさせるものです。特に高齢者層や技術に不慣れな人々にとって、現金は依然として安心感のある決済手段です。また、災害時など、電力や通信が断たれる状況でも現金は機能します。今回の新紙幣発行は、日本銀行の技術革新と偽造防止の取り組みを示すものでもあり、社会全体に新たな信頼感を与えると考えられます。

キャッシュレス決済の利便性と課題

スマートフォンの普及とともに、QRコード決済や電子マネー、クレジットカードなど多様なキャッシュレス手段が日常生活に浸透しつつあります。キャッシュレス決済の利便性は、支払いの迅速さやポイント還元など多くのメリットがあり、人によっては現金の取り扱いに伴う衛生面や紛失・盗難のリスクの低減を目的にキャッシュレスに移行する人もいます。

キャッシュレス社会の課題(利用者側)

しかし、キャッシュレス社会の実現にはいくつかの課題も存在します。まず、技術的なインフラの整備が求められます。特に地方や高齢者が多く住む地域では、キャッシュレス決済の普及が進みにくい現状があります。また、サイバーセキュリティの観点から、個人情報の保護や不正利用の防止策が重要です。

また、キャッシュレス決済に抵抗を示す人の意見として次のようなものが挙げられます。

  1. キャッシュレスの種類が多く、どれを利用していいかわからない
  2. 銀行口座残高からキャッシュレス媒体へお金を移行する方法が複雑に見える
  3. 利用できる店舗が限られている
  4. そもそも機械の操作が苦手

など、さまざまな意見があります。

たしかに、現在の情報化社会においてはキャッシュレス決済が一般化する前に、ポイントの重ね取りなどの「裏ワザ」的な情報ばかりが広まってしまい、まだキャッシュレス決済を取り入れていない人には、よりキャッシュレス決済が縁遠いものに見えてしまうかもしれません。

キャッシュレス社会の課題(業者側)

店舗などお金を受け取る側に注目すると、現金であろうがキャッシュレスであろうが、悩ましい問題に直面していることが伺えます。

まず、今回の新紙幣発行により、レジや食券の発券機、バスの運賃箱など、現金を受け取る機械をすべて新紙幣対応の物に交換する必要があります。銀行のATM改修などにかかる対応コストは約1.6兆円とう試算もあり、これだけで年間の名目GDP(国内総生産)を0.27%ほど押し上げる経済効果があると計算されるようですが、店舗側にこれだけの負担が発生し、その分を商品やサービスの価格に転嫁する必要があるとすれば、結局は国民がそれを負担せざるを得なくなります。

一方でキャッシュレス決済を店舗側が導入すると、そこにも端末などの機械設置にかかる初期費用や決済ごとにかかる手数料の負担が発生します。そうなれば、やはりその費用は価格に転嫁せざるを得なくなります。

現金とキャッシュレスの併用

現金とキャッシュレス決済の併用は、多くの人々にとって現実的な選択肢となっています。特に、日本は高齢化社会であり、全ての人がキャッシュレスに完全に移行するのは難しいでしょう。このため、理想は「100%キャッシュレス」であったとしても、現実的には現金とキャッシュレス決済が共存する社会を目指すことが求められます。

今回の新紙幣発行により日本では現金に対して注目が集まりますが、一方でキャッシュレス社会への移行も引き続き進むことが予想されます。

まとめ

SNSや動画投稿サイトでは「0か100か」という議論が話題になりますが、なかなか理想通りにはいきません。ただし、現金で支払うとポイント還元などのメリットはありませんが、キャッシュレス決済ではポイント還元を受けられるのが現状です。「面倒なことほどお金になる」と思って、ぜひキャッシュレス決済に取り組んでみてはいかがでしょうか?

エフアンドエス・エキスパートではキャッシュレス決済についてのご相談もお受けしています。

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