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注文住宅のZEH水準住宅は補助金受付終了 これから家を建てる人はどうする?

注文住宅のZEH水準住宅は補助金受付終了 これから家を建てる人はどうする?

~まだ使える長期優良住宅・GX志向型住宅、「補助金ありき」で選ばない住宅性能~

これから注文住宅を建てようと考えている方に、住宅補助金をめぐる大きな動きがありました。国土交通省・環境省が実施する「みらいエコ住宅2026事業」で、注文住宅のZEH水準住宅に対する交付申請の受付が2026年9月30日で終了しました。一方、注文住宅そのものへの補助がすべて終了ではなく、GX志向型住宅と長期優良住宅については、予算上限に達しない限り12月31日まで交付申請を受け付けています。

そこで気になるのが、これから注文住宅を建てる場合に、どのような住宅なら補助を受けられるのかという点です。さらに、補助対象となるために現在の計画から仕様変更が必要な場合、その追加費用と補助額をどう比較すればよいのでしょうか。今回は建売住宅との比較ではなく、これから注文住宅を建てる方に絞り、10月以降も利用できる補助制度と、補助金を住宅の資金計画にどう取り入れればよいのかを整理します。

ZEH水準住宅は9月30日で終了、でも注文住宅の補助金は終わっていない

「みらいエコ住宅2026事業」では、新築住宅をGX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅などに分け、それぞれ一定の条件を満たした住宅へ補助を行っています。注文住宅のZEH水準住宅については、第2期の交付申請期限が当初から遅くとも2026年9月30日までと設定されており、予定どおり受付が終了しました。

しかし、2026年の注文住宅向け補助金がすべて終了したのではなく、GX志向型住宅と長期優良住宅は現在も交付申請を受け付けています。 申請期限はいずれも遅くとも12月31日ですが、予算上限へ達した場合はその時点で受付終了となります。

10月3日午前0時時点では、GX志向型住宅の補助金申請額は予算の62%、長期優良住宅とZEH水準住宅の共通枠は36%に達しています。特にGX志向型住宅は9月28日に60%へ到達したばかりで、その後も申請が進んでいます。12月31日まで必ず利用できる制度ではないため、現在打ち合わせ中で対象になりそうな方は、住宅会社や工務店へ申請スケジュールを確認しておく必要があります。

みらいエコ住宅2026事業HPより引用

10月以降の注文住宅で使える補助金はいくら?

現在も注文住宅で利用できるGX志向型住宅と長期優良住宅では、対象世帯と補助額が異なります。GX志向型住宅は世帯属性を問わず対象となり、基本となる補助額は地域区分1~4地域で125万円、5~8地域で110万円です。一方、長期優良住宅は子育て世帯または若者夫婦世帯が対象となり、地域区分1~4地域で80万円、5~8地域で75万円となります。

みらいエコ住宅2026事業HPより引用

対象地域によってはGX志向型住宅と長期優良住宅で最大50万円の差があります。

ただし、「それならGX志向型住宅にした方が得」と感じるかもしれませんが、50万円多く補助されるからといって、50万円得になるとは限りません。住宅会社や工務店の標準仕様がどの水準にあるかによって、GX志向型住宅へ対応するための追加費用は大きく異なります。もともと高い断熱性能や省エネ性能を標準としている住宅なら追加負担を抑えられる可能性がありますが、断熱材、窓、設備、太陽光発電などの仕様変更によって建築費が大きく増える住宅もあります。

補助額だけを比較するのではなく、その補助を受けるために建築費がいくら増えるのかまで確認しなければ、本当の経済効果は分かりません。

「補助金が50万円増える」と「50万円得する」は同じではない

仮に、ある工務店の標準仕様で長期優良住宅として75万円の補助を受けられる住宅があり、GX志向型住宅へ仕様を変更すると補助額が110万円になるとします。補助金の差額は35万円です。

GX志向型住宅への仕様変更に30万円かかるなら、補助金の増加額35万円が追加工事費30万円を上回ります。少なくとも初期費用だけを比較すれば、仕様を高める経済的な合理性があります。

しかし、仕様変更に150万円必要なら話は変わります。補助金は35万円増えても、差し引きでは115万円の追加負担です。

だからといって、後者が「損」という意味でもありません。115万円の追加負担によって断熱性能や省エネ性能が高まり、長期間の光熱費を抑えられ、室内環境の快適性も向上するのであれば、その115万円を支払う価値があるとも考えられますし、将来の光熱費の削減で115万円以上の効果が。

住宅は補助金を受け取った時点で終わる商品ではなく、その後何十年も住み続けるものです。補助金額と追加建築費だけではなく、その追加費用によって何が変わるのかまで比較する必要があります。

GX志向型住宅と長期優良住宅は「補助金額が違うだけ」ではない

GX志向型住宅と長期優良住宅は、単純に補助金額の大小だけで比較できません。GX志向型住宅は、特に高い省エネルギー性能を求める住宅です。一方、長期優良住宅は省エネルギー性能だけではなく、長期にわたり良好な状態で使用するための構造や設備、維持保全などを含めて認定される住宅です。つまり、両者は「上位・下位」の関係として単純に並べられる制度ではなく、制度の目的にも違いがあります。

弊社でも以前、2025年の「子育てグリーン住宅支援事業」を取り上げた際に、GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅は求められる性能や考え方が異なるため、補助金額だけで選択するべきではないと解説しました。住宅会社・工務店によって標準仕様も異なるため、同じGX志向型住宅へ変更する場合でも追加費用は一律ではありません。

制度が2026年版へ変わっても、この考え方は変わりません。むしろZEH水準住宅の受付が終了した今だからこそ、「補助金が残っているからGX志向型住宅へ変更する」という判断ではなく、自分たちは住宅にどの性能を求めているのかを先に考える必要があります。

住宅会社・工務店に「補助金はいくら?」だけを聞かない

これから注文住宅を建てる方が住宅会社や工務店へ確認するなら、「この家はいくら補助金がもらえますか?」だけでは十分ではありません。

確認したいのは、現在提案されている住宅がどの補助対象に該当するのか、その性能は標準仕様で満たせるのか、補助対象へ変更するために追加工事が必要ならいくらかかるのか、そして申請時期が予算上限へ到達する前に間に合う見込みがあるのか、という一連の内容です。

特にGX志向型住宅では、住宅そのものが性能要件を満たすだけでは足りません。建築する事業者がGXへの協力表明を行い、「GX建築事業者」となっている必要があります。また、みらいエコ住宅2026事業の申請は建築主本人ではなく登録事業者が行うため、補助金を利用したい場合には、依頼する住宅会社・工務店の対応状況も重要になります。

さらに、補助金は予算上限へ達した時点で受付終了です。「補助金が使える住宅を契約した」だけで補助金を受け取れると考えず、自分たちの建築スケジュールで申請が間に合うのかまで確認してください。

補助金をもらうために家を建てるのではない

住宅価格が上昇している現在、75万円、110万円、125万円という補助金は決して小さな金額ではありません。利用できるのであれば、資金計画へ取り入れる価値があります。

ただし、住宅取得の総額が数千万円になる中で、補助金だけを基準に住宅性能や建築会社を決めるのは本末転倒です。「125万円もらえるからGX志向型住宅にする」のではなく、「自分たちが求める性能の住宅を検討した結果、GX志向型住宅の要件を満たし、125万円の補助も利用できる」。

この順番で考えれば、補助制度が翌年変わったとしても住宅選びそのものが間違っていたという話にはなりません。反対に、補助金を受けるためだけに本来必要としていなかった設備や仕様を追加し、その追加費用が補助額を大きく上回るのであれば、少なくとも経済性については冷静に検証する必要があります。

また、住宅性能を高める価値は補助金だけでは測れません。断熱性能や省エネルギー性能を高めれば、入居後の光熱費だけでなく、夏や冬の室内環境…つまり快適性にも大きく影響します。長期優良住宅には長期にわたって住宅を良好な状態で使用するという別の目的があります。補助金は、こうした住宅を選ぶ際の費用負担を国が一部支援してくれる制度と考える方が自然です。

2026年9月30日をもって、注文住宅のZEH水準住宅に対する補助金受付は終了しました。しかし、注文住宅への補助そのものが終わったわけではありません。

これから家を建てる方は、「まだ補助金が残っている住宅はどれか」だけではなく、「自分たちはどんな家に住みたいのか。その住宅に使える補助金は何か。そして補助を受けるための追加費用はいくらなのか」という順番で、住宅会社・工務店と確認してみてください。

補助金は家を選ぶ理由ではなく、自分たちに合った家を建てるために上手に利用する支援制度です。

関連コラム:「GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅の違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています」

出典・確認日:2026年10月5日

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