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【生命保険】ドル建て終身保険はアリか?ナシか?

【生命保険】ドル建て終身保険はアリか?ナシか?

保険会社が販売するドル建て保険は、しばしば非難の的ともなり、専門家によっても賛否が分かれるところです。ドル建て保険はアリなのでしょうか?それともナシなのでしょうか?

ドル建て保険とは?

正確には「外貨建て」といい、外国通貨で管理・運用されるため、ドルだでなくユーロや豪ドルなど、さまざまな通貨建ての保険があります。

円建て保険も外貨建て保険も個人が保険料を支払う時は円で支払うことが可能です。ただし、円建て保険は保険料が日本円で決められているため、月々の支払いに変動はありません。一方、外貨建ては日本円で支払えるものの、保険料は外貨で決められているため月々の保険料は為替により変動します。

例)円建て保険
保険料が月々10,000円と定められた円建て保険
 → 為替に関係なく10,000円を支払う

例)外貨建て保険
保険料が月々100ドルと定められた外貨建て保険
 → 今月の為替レート1ドル= 90円の場合、 9,000円を支払う
 → 今月の為替レート1ドル=100円の場合、10,000円を支払う
 → 今月の為替レート1ドル=110円の場合、11,000円を支払う

支払った保険料はその国の通貨により国債などで運用されるため、日本の金利などの事情とは違う利率で管理・運用されます。また、保険会社や商品ごとに予定利率が確定している商品や利率が変動する商品があり、その利率も保険会社により異なるため、資産運用という点では保険商品選びが重要になります。

専門家が指摘する「運用」という視点からの問題

ファイナンシャル・プランナーなどが外貨建て保険について辛口コメントをする際、よく言われるのは「運用という点においてメリットが小さい」という指摘です。

たとえば、NISAの積立投資枠で12,000円ずつ積み立て、30歳から65歳までの35年間は1度も欠かさず3%で運用できたとすると、65歳時点の総額は8,898,764円となり、積み立てた元本は5,040,000円ですから保険商品的に言うと返礼率176.6%です。

一方で、ある保険会社のドル建て終身保険では毎月12,484円の保険料を30歳から65歳までの35年間支払った場合、70歳時点の解約返戻金は6,867,727円となり、支払った保険料総額は5,243,280円ですから返礼率130.9%です。

これを比較し「外貨建て保険に騙されるな」みたいなコメントで注意喚起されるケースや、保険会社に「NISAで積み立てれば890万円、外貨建て保険だと687万円、この差額は保険会社に搾取される金額だ」などと過激な発言をする方もいます。

保険は保険としての役割がある

外貨建て終身死亡保険で「資産運用」ではなく、本来の保障として比較するとその魅力が見えてきます。

一般的な死亡保険は円建ての定期保険か終身保険ですが、保険金額1,000万円の場合でドル建て終身保険も含めて比較してみます。

表1:ある保険会社における30歳男性の例

定期保険は一定期間の保険ですから一般的に保険料が一番安くなります。一方で終身保険とは、人は必ず亡くなるため保険会社としても必ず保険金を支払う商品ですから保険料は高くなります。また、解約返戻金があるため、ある時期に保障が不要になったら支払った保険料が一定額戻ってきます。終身保険(円建て)を見ると70歳時点の解約返戻金は869万円ですから、これまでに支払ってきた保険料を大きく上回りますから、実質的に保険料はゼロと言っても良いでしょう。

しかし、終身保険(ドル建て)を見ると、終身保険でありながら保険料総額は定期保険とほぼ同額で済んでしまっているのです。しかも70歳時点では687万円の解約返戻金があるため、実質的に一番支出が少ないのが終身保険(ドル建て)です。

つまり資産運用ではなく本来の使い方である死亡保障としては一番良い選択と言えるかもしれません。

まとめ

外貨建て保険は銀行などでも販売されていますが、説明不足などによりトラブルも絶えません。国民生活センターにも事例がたくさん挙がっていますし、悪いイメージの強い保険でもありますが、それは保険商品の問題ではなく「売り方」の問題です。

結果としてはアリかナシかでいえばアリです。ただし、使い方は本来の保険としての使い方のほうが良いでしょう。

興味のある方、現在入っている保険の見直しをご希望の方はお気軽にエフアンドエス・エキスパートにご連絡ください。丁寧にわかりやすく説明致します。

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