【フラット35】2025年9月の金利発表
2025/09/01|住宅ローン

融資率(9割以下)返済期間21~35年の【フラット35】の金利は、2025年8月から0.02%上がり1.89%となりました。返済期間20年以下など、その他の金利も同様に先月より0.02%上昇です。国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時1.610%まで上昇したのが大きく影響していますが、本来ならばもう少し(0.06%程度)上がっても良さそうなところですが、大人の事情もあるのでしょうか?今月も2%を超えそうで超えずに土俵際で踏ん張っています(笑)
2025年8月29日の日経新聞の記事によると、【フラット35】を扱う大手モーゲージバンクでは2025年4〜6月の借り換え申込件数は186件と前年同期比2.5倍の水準だそうで、変動型から 固定型への借り換えが進んでいます。日銀が利上げのタイミングを伺っているのは周知の事実ですから、今後の金利上昇による住宅ローンの返済不安を感じるようであれば、固定金利への借り換えを検討してみましょう。もちろん借り換え後の金利の方が高いものの、変動型と固定型の金利差が小さいうちに…つまり【フラット35】が1%台で踏ん張っている間が借り換えのチャンスかもしれません。固定金利に借り換えの方はお早めにご連絡ください。
そのほかの金利は以下の通りです。
融資率9割以下 返済期間21~35年 1.89% 返済期間20年以下 1.50%
融資率9割超 返済期間21~35年 2.00% 返済期間20年以下 1.61%
17年ぶりに長期金利が一時1.61%
2025年8月21日、日本の10年国債利回りは一時 1.610% と2008年以来の高水準となりました。債券は価格が上がると利回りが下がり、価格が下がると利回りが上昇します。利回りが上昇したということは、国債価格が下落したということですが、その背景にはいくつかの要因が重なっています。
1. 日本の財政への懸念
日本は世界でも突出した水準の国債残高を抱えています。その国債を誰が買っているのかなどといったことはさておき、政府支出の拡大や歳出圧力の強まりを背景に、将来の財政運営に対する投資家の不安が増しています。こうした状況では「国債を長期に保有するリスクが高まる」と判断され、売却が進みやすくなります。
2. 投資家需要の弱まり
本来は国債の主要な買い手である国内の金融機関や海外投資家の需要が伸び悩んでいます。特に長期・超長期債で買い手がつきにくく、需給バランスが崩れて価格が下落しました。金利上昇が懸念されるということは、長期間低金利で固定される債券など魅力が感じられなくなるのは当然です。
3. 市場流動性の低下
近年、国債市場は「売りたいときに売れない」「買いたいときに買えない」という取引のしにくさが指摘されています。市場参加者が減っているため少しの売り注文でも価格が下がりやすく、結果として利回り上昇を加速させました。
4. 世界的な金利上昇の影響
米国や欧州でも長期金利が上昇しており、日本国債だけが低金利にとどまると相対的な魅力が薄れます。そのため、国際的な資金の流れに押される形で、日本の金利も上昇圧力を受けているようです。
5. 日本銀行の政策変更観測
長く続いた日銀の金融緩和や国債利回り抑制政策について、市場では「いずれ修正されるのではないか」との見方が広がっています。日銀が国債価格を下支えしなくなる可能性を意識した投資家が売却に動き、価格下落につながりました。
まとめ
今回の利回り上昇は、日本の財政不安、投資家需要の後退、市場の流動性低下、世界的な金利上昇、日銀の政策転換観測といった複数の要因が同時に作用した結果です。単一の出来事ではなく、国内外の環境変化が重なり合って国債価格を押し下げた、と理解するのが適切でしょう。
【フラット35】の金利はどう決まる?
【フラット35】の金利が決まる要因はこちらのコラムで詳しく解説していますが、簡単にいうと住宅金融支援機構債券(略称を機構債という)に連動し、条件決定日が毎月20日前後であるため、その時点の長期国債の利回りが大きく影響します。
2025年8月は条件決定日が21日だったため、奇しくも17年ぶりの高水準となった長期金利の利回りの影響をモロに受けています。

これを見ると前月と比べて0.06%上がっているので【フラット35】の金利も0.06%上がるかと思いきや、若干の調整があったのでしょう…0.02%の金利上昇にとどまったということです。実際には2025年4月と比べると0.43%も上昇してますが、2025年5月の【フラット35】の金利は1.82%であり、そこから0.43%も上昇していません。事実上、ここ数ヶ月は【フラット35】の金利が2%を超えないよう調整されていると見ても良いのではないでしょうか。
今後の住宅ローン金利はどうなる?
2025年6月29日に「変動金利はどこまで上がる!?(日銀)金融政策決定会合から読み解く今後の金利予想【住宅と家計のFP市川貴博「そこまで言うか~!?」】知って得する住宅ローンシリーズ」をYoutubeチャンネルでアップしたところ、たくさんの反響をいただきました。住宅ローンに詳しくない一般の方にもわかりやすく解説しているため、一部の専門家の方からは「そうじゃね~だろ!?」という声も聞こえてきそうですが(笑)「超正確な難解な情報」よりも「多少荒っぽくても平易な情報」が良い場合もあります。
また、動画では年内にあと0.5%の利上げとか、あと0.25%の利上げなどと情報を出していますが、はたしてどうなることやら…ChatGPTの予想は2026年3月末の政策金利は0.75%のようです。
▼まだご覧になっていない方はぜひご覧ください。

◆変動金利はどこまで上がる!?(日銀)金融政策決定会合から読み解く今後の金利予想
【住宅と家計のFP市川貴博「そこまで言うか~!?」チャンネル】
「そんなにすぐに変動金利は上がらない」「金利が上がってもたいしたことはない」「金利が上がっても放っておけばいい」とSNSやYoutubeで無責任な発言をしていた人も、いまはすっかりおとなしくなってしまったり、手のひらを返したように「注意しましょう」みたいになっている人もいます(笑)
「変動金利一択」などと発言していた人が「固定金利もうまく利用したほうが良い」的な手のひら返しの発言をしているネット界隈ですが、未来のことは誰にもわかりませんし、家計の状況や借入金額などによっては慎重な判断が必要な場合もあります。

エフアンドエス・エキスパートは、正しい情報提供によりお客様と一緒に考えるスタンスでご相談に応じています。
また、弊社では【フラット35】の取扱もあるので、お気軽にご連絡ください。
▼【大好評】住宅ローン借り換えのご相談はこちら
住宅ローン【借り換え】オンライン相談<無料>キャンペーン!実施中
▼変動金利のルール解説については⬇️こちら
▼【フラット35】の融資申込みや、住宅ローンのご相談はエフアンドエス・エキスパートにお任せください。
ご相談はこちらから
▼個別相談のご依頼はこちらから。
SNSで情報発信中!
Follow me!!公式YouTubeチャンネル
住宅と家計のFP市川貴博「そこまで言うか~!?」チャンネル
住宅購入で失敗しないために、他では聞けない住宅業界や不動産業者、住宅ローンを扱う銀行の裏話や暴露話、とっても得する住宅ローンの話、住宅会社や不動産業者との上手な付き合い方など公開中!
お問い合わせ
Contact受付時間 9:00 ~ 19:00