日本FP協会静岡支部【継続教育研修会】での講演報告
2024/07/07|ファイナンシャル・プランニング
2024年7月6日にNPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 静岡支部主催の継続教育研修会にて講師を務めました。演題を「データで紐解く住宅ローンの真実〜FPが見抜くべき俗説と実情〜」としましたが、FPとして住宅ローンについてもっと深い知識をもってもらいたいという思いを込めた内容です。
SNSや動画投稿サイトの弊害
今や情報なのか、単なるウワサ話なのか、営業トークなのか、ポジショントークなのか、あるいは嘘なのか…真偽の不明なものが多く、ひとまとめに「俗説」として括りましたが、難しいのは「一方から見れば正しい」内容でも、「他方から考察すると間違っている」ものがあり、また「Aさんにとっては良い結果」となるが、「Bさんにとっては悪い方向に向かってしまう」など、強ち全否定できないものもあり、それらが混在していることで、生活者は何を本当の情報として採用すれば良いのかわからない状況にあります。
講演内容
- FPの役割と専門性
1.1 FPが果たす本来の役割
1.2 住宅ローンといえども専門性が要求される - 住宅ローンのトレンドと多様化する団信
2.1 住宅ローン利用者の実態
2.2 返済期間の長期化(50年返済)
2.3 【フラット35】子育てプラス
2.3.1 制度改正の概要
2.3.2 子育てプラスの対象となる世帯
2.3.3 制度改正の適用
2.4 がん団信は1つではない
2.4.1 診断給付金型
2.4.2 月額返済補償後債務繰上返済型
2.5 夫婦連生団信
2.6 就業不能保障団信(例) - ネットの情報は正しいのか?(検証)
3.1 変動金利と固定金利の比較
3.2 「最大」で語られる住宅ローン減税
3.2.1 概要(現行制度)
3.2.2 住宅ローンの年末残高(上限)
3.2.3 事例検証
3.3 繰り上げ返済するな?
3.3.1 住宅ローン減税が減ってしまう?
3.3.2 団信があるのにもったいない?
3.4 返済期間は最長に? - 知られていない【フラット35】の魅力
4.1 元金均等返済
4.2 金利引継特約(認定長期優良住宅の場合)
4.3 審査基準
4.3.1 勤続期間が短い場合
4.3.2 雇用形態
4.3.3 自営業
4.3.4 外国人
4.3.5 保留地、借地
4.3.6 団信
4.4 実際に聞いたメリットと感じる点
FPが果たす本来の役割
FPは金融、不動産、住宅ローン、税制、保険、年金、相続などさまざまな分野のすべてに対してアドバイスが可能であり、税理士や社労士などの専門家としての視野では及ばない視点により、包括的にアドバイスできるのが特徴です。
しかしまわりを見渡してみると、非常に偏った視点や、自慢げに「私はこうする」を相談者に押し付けるFPも散見され、相談者のレベルに合わせた相談者目線の相談になっていないケースもあると聞きます。
たとえば繰り上げ返済も、返済額軽減型よりも期間短縮型のほうが繰り上げ返済による利息軽減効果は大きいものの、FP自身が「返済額軽減型を選択し、浮いた返済額相当を投資に回し、資産を増やしながら住宅ローンの早期完済を目指す」として成功した体験を顧客にアドバイスしているケースでは、繰り上げ返済ではなく投資のスキルが要求されるため、実践できる人もいれば、できない人もいます。
「お金に関するテクニック」ばかりがクローズアップされる時代ですが、大切なのは実践です。どんなに優れたテクニックがあっても実践されなければ意味がありません。
エフアンドエス・エキスパートではFP向けの継続教育研修会やSGでの講演もお受けしております。お気軽にご連絡ください。
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