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変動金利の上昇に備える

変動金利の上昇に備える

住宅ローンを変動金利で借りている方は多く、住宅金融支援機構が調査している「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)】」によると、全期間固定金利を選んだ方は全体の9.3%と低く、実に9割の方が返済期間中に金利が変動する住宅ローンを借りています。しかも、同調査によると変動型を借りた方のうち「金利は今後上昇する」と見通しを立てている方が34.9%と低く、多くの方は「将来も今と変わらないであろう」と予想しています。

住宅ローンに関する専門知識のない方が将来の金利見通しを立てることは難しく、そもそも変動金利の過去最高金利すら知らないことがほとんどですから、その「金利は将来もいまと変わらないであろう」という見通しは住宅営業担当者か銀行の担当者が言った言葉であるように推測します。

過去の住宅ローンの金利推移は?

変動金利の住宅ローン金利は一般的に短期プライムレートに連動(※連動しない商品もあります)します。

短期プライムレートに1%プラスした金利が銀行の発表する変動金利の基準金利となりますが、そこから銀行独自の金利引き下げ(値引き)があります。2023年9月の短期プライムレートは1.475%ですから、そこに+1%で2.475%が変動金利の基準金利となり、たとえば金利引き下げを2.1%としている銀行では、変動金利の貸付金利は0.375%となります。

しかし、金利引き下げの幅は銀行ごとに違いますし時代によっても違いますから、変動金利の貸付金利の推移を見るよりも、元となる短期プライムレートの推移を見ることに意味があります。

短期プライムレート推移
短期プライムレートの推移(日本銀行のホームページから抜粋し株式会社エフアンドエス・エキスパートがグラフを作成)

1989年1月頃から短期プライムレートの考え方が変わった(新短プラ)ため、1970年代と現在を単純比較してはいけませんが、1974年に9.25%をつけているのを見ると変動金利の過去最高金利は10%近いことがわかります。

だからといって今後必ず10%近くまで金利が上がるというものでもありませんし、もしそこまで上がるとしてもいつそこまで到達するかなどは誰にもわかりません。

短期プライムレートは景気を後追いする性質がある

短期プライムレートとは、銀行が優良企業に対して短期間の融資に適用する優遇金利のことで、日銀の金融政策決定会合が大きく影響するため政策金利といっても良いでしょう。実際に金融政策決定会合には財務省や内閣府などの政府関係者が参加して意見を述べることも認められているため、国の政策も大きく関係します。結果として景気が良くなると金利は上がり、後退すると下がります。

今後はどうなる?

現状において国内の景気は決して良いとは言えませんが、物価が上昇しているのは事実です。物価の上昇をインフレといいますが、インフレにもコストプッシュインフレとデマンドプルインフレの2通りあります。

コストプッシュインフレとは、賃金や原材料価格の上昇に伴い物価が上がることをいい、まさに日本の状況はコストプッシュインフレといえます。

デマンドプルインフレとは需要の増加に起因するインフレであり、モノやサービスを買う人が増えて供給が追い付かないことから起こる価格上昇をいいます。まさに好景気そのものといえるのはデマンドプルインフレです。

景気が良くならなければ変動金利は金利上昇しないのか?

ここまでを見ると日本の「肌で感じる好景気」はまだまだ先であり、変動金利の金利上昇などありえないようにも見えます。しかし、金利上昇の議論は「肌で感じる好景気」だけでは語れません。日銀の金融政策決定会合に国が関与していることや、日本が米国など諸外国の影響を受けやすいこと、そして長期金利は既に上昇を開始してしまっていること…などを考慮すると、一概に変動金利は金利が上がらないとは言い切れません。

また、日銀は2013年1月に「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束と同時に金融緩和に取り組んでいます。言い換えれば、これが達成されると短期プライムレートも上昇し変動金利の金利も上昇する可能性があるということでもあります。

金利が上がった時の対策はできていますか?

例えば4,000万円を35年返済、金利0.375%の変動金利で借りている場合、仮に5年後に金利が2%に上昇しただけで毎月の返済額は2.6万円も上がります。もし3%に上昇したとすると月々4.4万円も返済額が増えてしまいます。

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