変動金利か?固定金利か?Ⅰ
2023/01/21|住宅ローン
最近では金利上昇のニュースにより住宅業界や現在住宅ローンを返済中の方などがザワついています。
【フラット35】のような超長期固定金利と変動金利では金利が決定するプロセスや元となる金利が異なりますから、現在報道されている金利上昇が今すぐ直接的に変動金利を押し上げることはありませんが、やはり世間はネガティブな情報に対して敏感に反応するようで「住宅ローンは見直さなくて良いのか?」と現在変動金利を借りている方は戦々恐々としているようです。
変動金利か?固定金利か?論争に結論
結論を言えば「変動金利のままで大丈夫か?」と僅かでも心に動揺がある方は固定金利を選択すべきです。
現時点の変動金利と固定金利では金利差僅か1%程度。仮にずっと金利が上昇せず35年間金利差が1%のままだとすれば、3,000万円の借入で返済総額の差は約598万円、これを35年間の月額に換算すると約1.42万円です。ローンを貸してくれる人が「絶対にずっと金利が上がらない」と約束してくれるお礼と安心料だと思えば決して高くはないはずです。
住宅ローンの損得は返済完了時にしか白黒がつかない結果論ですから、変動金利と固定金利の損得シミュレーションをいくらやっても、シミュレーションの前提条件である想定が外れれば意味がありありません。だとするならば「変動金利のままで大丈夫か?」と僅かでも心に動揺がある方は、金利上昇に不安な思いをしながら35年間を過ごすより、もう借りている住宅ローンのことなど忘れてスッキリしたほうが良いでしょう。
自力で住宅ローンのメンテナンスができない
住宅会社の営業担当者や銀行の担当者、一部のファイナンシャル・プランナーは、現在の変動金利の超低金利を、借り入れ当初のローン残高が多い時に元金を大きく減らすチャンスとし、ある程度元金が減ればその後に金利が上昇しても返済金額の上昇は限定的とも言います。もちろん個別に借入金額や家計の状況など確認できればそれもアリです。
しかし、それが一般的なアドバイスとなってしまうと、家計状況が良くない上に当初の借り入れが多い方も変動金利を借りてしまい、元金返済が十分ではない想定よりも早い時期に金利が上昇することで致命的になることも考えられます。
つまり、お客様が住宅ローンを借りた後に、繰上げ返済をするべきなのか、借り換えをするべきなのか、そのまま返済を継続すべきなのか、自分自身で判断ができないとするならば、住宅ローンに詳しいFPや住宅会社の担当者などが、常にお客様に寄り添いアドバイスができ、住宅ローンのメンテナンスがきちんとできる状況においてのみ変動金利をお勧めできるのです。
一般的なアドバイスとしては
ご相談をお受けしているお客様の中にも変動金利か固定金利かで迷われているお客様がたくさんいらっしゃいます。私がずっとお客様に寄り添いアドバイスができる状況にない以上は、「迷っているなら迷わず固定金利」が私のアドバイスです。
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