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【住宅ローン】どう考えても変動金利は上がる!?

【住宅ローン】どう考えても変動金利は上がる!?

日銀の金融政策を振り返ってみますと、やっぱり…どう考えても…変動金利は上がるしかありません。まずはこれまでの金融政策を振り返ってみましょう。

日銀の金融政策の変遷


2013年(平成25年)に「量的・質的金融緩和」が開始され、金融市場調節の主たる操作目標は、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更されました。金融市場調節方針は、「マネタリーベースが、年間約○○兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」などと定められ、併せて継続的に国債などの資産買入れの方針が決定しています。

2016年(平成28年)1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が導入され、金融市場調節方針や資産買入れ方針が維持に加えて、補完当座預金制度の改正に併せて、政策金利として日本銀行当座預金のうち「政策金利残高」に-0.1%のマイナス金利を適用することが決定されました。

同年9月に導入された「長短金利操作付き(YCC:イールドカーブ・コントロール)量的・質的金融緩和」のもとでは、金融市場調節方針は、長短金利の操作についての方針を示すこととなりました。具体的には、短期の政策金利については、「日本銀行当座預金のうち政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用する」、長期金利の操作目標については、「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。」などと定められています。

2024年(令和6年)3月からは金融政策の枠組みを見直し、政策金利を無担保コールレート(オーバーナイト物)としたうえで、金融市場調節方針において、その誘導目標を定めています。


つまり日銀は2013年から続けてきた「「量的・質的金融緩和」も「マイナス金利」も「イールドカーブ・コントロール」も全部や~めた!ハイ、以前のように無担保コールレート(オーバーナイト物)をイジる金融政策に変えます!あ、そうは言ってもいきなり無担保コールレート(オーバーナイト物)を上げると混乱するので、当面はいままでのような0〜0.1%程度で推移させるよ~!」と言ったのが2024年3月18日・19日に開かれた金融政策決定会合だったのです。

変動金利の金利はどうやって決まる?

変動金利の基準金利は、一般的に短期プライムレート(銀行が優良な企業などに短期で貸し付ける際の金利)+1%で設定されており、主要銀行の短期プライムレートは2009年1月以降はずっと1.475%です。つまり変動金利の金利は優遇金利が変わらなければ、本来は2009年1月以降ずっと変わっていないハズで、いま変動金利の金利が銀行各社で違うのは、優遇金利の差であり、銀行が変動金利を借りてほしくて借りてほしくて仕方ないのでキャンペーンしてまぁ~す!というところは優遇金利を大きくして、顧客に貸し出す金利を下げているのです。

では短期プライムレートは何によって変わるのかというと、これが無担保コールレート(オーバーナイト物)です。下のグラフを見ると一目瞭然です。

短期プライムレートと変動金利の基準金利、無担保コールレート翌日物の推移(1970年~2023年12月):日銀ホームページより数値を引用

2013年以降、金融市場調節の主たる操作目標が、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更されたため、無担保コールレート(オーバーナイト物)はほぼそのままを維持したまま推移していますが、今後はこの無担保コールレート(オーバーナイト物)を政策金利とすると日銀が宣言したのですから、あとは日銀が上げると決めるだけで変動金利の金利は上がります。

つまり、マイナス金利の解除に代表される2024年3月18日・19日に開かれた金融政策決定会合で、変動金利の金利を上げる準備が整ったということです。

まとめ

あとは、いつ上げるか?これは日銀次第でしょう。「1年程度は様子を見るためにそのまま据え置く」と予想する人もいれば「3ヶ月程度で僅かに上げてくる」と予想する方もいます。いずれにしても近い将来に金利は上がるでしょう。問題になるのは「金利が上がるのか上がらないのか」ではなく「どれくらいの期間で、どの程度まで上がるのか」という高さと角度です。

だとすれば変動金利を借りている方は注意が必要です。固定金利に借り換えるのであれば、固定金利の金利がこれ以上上がらないうちに実行しなければ損をしてしまいます。

固定金利の金利が上がっている理由は「長期金利が上がっている理由 わかりやすく解説します【住宅と家計のFP市川貴博「そこまで言うか~!?」】」で詳しく解説しています。ご覧ください。

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