医療保険…その見直し、間違っていませんか?
2026/02/12|保障設計
「入院日数は短くなっています」—その一言で医療保険を決めて大丈夫?
医療保険の見直し時に1入院120型や180日型などを提案すると、こう言われる場合があります。
最近は入院日数が短くなっています。だから“1入院60日”で十分ですよ」
たしかに、入院日数が以前と比べて短期化しているのは事実です。たとえば厚生労働省「令和5年(2023)患者調査」によれば、退院患者の平均在院日数は28.4日です。また、厚生労働省「令和6年(2024)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」では、病院の平均在院日数は25.6日(前年差▲0.7日)とされています。

この数字だけを見ると、「長期入院はもう少ない」と感じるかもしれません。しかし、ここで注意しなければならないのは、
入院日数=治療にかかる期間ではない
という事実です。
入院日数が短い=治療が早く終わる、ではない
現在の医療は、入院中心から外来・通院中心へと大きくシフトしています。
たとえば、がん治療では
・手術は入院で行う
・退院後は外来で抗がん剤治療を継続
というケースが一般的です。
厚生労働省「令和2年患者調査」によれば、退院患者のうち約77%が退院後も通院治療を受けていると報告されています。
つまり、入院は短くても、
- 治療そのものは数ヶ月〜数年続く
- 完治したわけではなく、治療段階が変わっただけ
ということが珍しくありません。
入院日数が短くなったのは、医療技術の進歩もありますが、それ以上に「医療制度の構造」が大きく影響しています。急性期病院では包括評価方式(DPC)が導入され、入院が長引くほど1日あたりの診療報酬が低くなる仕組みです。また、病棟全体の平均在院日数にも基準が設けられています。
その結果、一定の状態に落ち着けば、完全に治癒していなくても退院・転院を勧められる流れが強まっています。
つまり、入院日数が短いのは「治るのが早くなった」からだけではなく、制度上、長期入院を前提としない方向に動いているからなのです。
問題は「退院後」に起こる
ここで医療保険の話に戻ります。
多くの医療保険には「180日ルール」があります。同じ傷病で退院後180日以内に再入院した場合、1回の入院とみなして日数を合算するという仕組みです。保険会社や商品によって、合算されるケースとされないケースに一定のルールがあるので、医療保険や共済に加入する際は必ずルールを確認しましょう。
仮に…
1回目の入院が40日 → 退院後に再び悪化して30日入院 → さらに退院後に合併症により50日入院
となった場合、合計120日入院していても、「1入院60日型」の契約では60日分までしか給付されない可能性があります。
入院が短期化するほど「いったん退院して様子を見る」というケースが増えます。しかしそれは、「完治」ではありません。治療は続き、状態が悪化すれば再入院となります。入院日数が短い時代だからこそ、再入院という論点が重要になるのです。

平均に備えるのではなく最大に備える
たしかに厚生労働省の統計上、平均在院日数は25~30日前後です。しかし、これはあくまで平均値です。病気によっては長期入院になるケースもあり、同じく厚労省「令和5年患者調査」をもとに生命保険文化センター(公的性格の強い公益財団)が整理した資料では傷病別の平均在院日数として、統合失調症等 569.5日、血管性・詳細不明の認知症 285.2日、アルツハイマー病 279.6日といった水準も示されています。
さらに現在の医療は「入院+通院」の組み合わせが主流です。入院日数だけを根拠に医療保険を設計すると、治療期間とのズレが生じます。「平均28.4日」 だけを見ると見落としがちですが、長期入院リスクは統計上も明確に残っているのです。
医療保険は「平均への備え」ではなく、退院後の再入院や治療の長期化という最大への備えです。また、医療保険の多くは終身保障ですから、「今」だけでなく「高齢者」となった時にも活かせる保障を選びたいものです。
「入院日数は短くなっています」という言葉は事実ですが、しかしその意味を正しく理解しなければ、保険設計を誤る可能性があります。
短期入院型を選ぶ前に、ぜひ確認してください。
- 180日ルールはあるか再入院時の扱いはどうなるのか
- 1入院の限度日数は十分か
入院日数が短くなった時代だからこそ、治療期間との違いを理解して、冷静に判断することが重要なのです。
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