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長期的にランニングコストを抑制する住宅の省エネ性能

長期的にランニングコストを抑制する住宅の省エネ性能

長期的なデフレにより収入増が見込めない中、突如やってきたコストプッシュインフレが光熱費の高騰を招き、近年の住宅市場においても住宅の省エネルギー性能に注目が集まっています。省エネルギー性能が高い住宅は長期的なランニングコストを抑制するだけでなく、住まいとしての快適さを向上させ暮らしの豊かさをも演出します。

住宅性能表示制度における断熱等性能等級

2000年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、住宅性能表示制度が運用開始され、目に見えない住宅性能を数値化することにより、住宅購入者と住宅会社・工務店が同じモノサシで会話できるようになりました。これまではお互いの認識が異なるケースもある「地震に強い」という表現も、どれほどの耐震性能を指すものかは「耐震等級」により共通の認識となったのです。

同様に「夏涼しく冬暖かい」といったキャッチコピーの住宅も「暑い寒い」の感覚は人それぞれですが、お互いに住宅性能表示制度における断熱等性能等級で会話をすれば誤解は生じません。品確法の制定当時に断熱等性能等級は1~4が設定されていましたが、2022年4月に等級5が、2022年10月には等級6、7が新設され、2023年12月現在の断熱等性能等級は1~7まで設定されており、等級が高くなるほどに高性能になります。

2025年4月からは原則としてすべての新築住宅・非住宅について省エネ基準(等級4)への適合が義務付けられる予定です。

表1:断熱等性能等級とUA値

UA値と省エネルギー性能

UA値(外皮平均熱貫流率)は「住宅から失われる熱量の平均値」を表し、床や外壁、屋根(天井)、開口部などを通過して住宅の内部から外部へと逃げる熱量を、外皮(屋根や外壁、床、窓など住宅の外周で熱的境界となる部分)全体で平均した値です。ひと言でいえば「室内の熱がどの程度外に逃げやすいか」を数値化したもので、近年では住宅の断熱性を判断する代表的な基準の一つであり、住宅性能表示制度における断熱等性能等級もUA値によって示されています。

値が低いほど住宅の断熱性能が高く、室内が外気温の影響を受けにくくなります。結果として冷暖房にかかるエネルギー消費を抑えることができるため、電気料金やガス料金の節約に繋がります。

UA値を低減するための主な手段

  1. 高性能断熱材の使用:壁や屋根、床などに高性能の断熱材を使用し熱の伝わりを低減します。
  2. 高断熱窓(サッシ)の採用:窓は熱の出入りが多い部分であり、断熱性能の高い窓の使用により熱損失が低減します。
  3. 気密性の向上:建物の隙間を減らすことで、外部からの冷気の侵入や内部の暖かい空気の流出を防ぎます。
  4. 熱橋の削減:熱橋とは熱が他の部分よりも容易に伝わる箇所のことで、断熱材の連続性を保ち熱橋を減らす工法を採用します。
  5. 適切な建築設計:日射や風の流れを考慮した設計を行うことで自然の力を活用し、断熱性能を高めることができます。

これらの手段を組み合わせることで、UA値を効果的に低減し、エネルギー効率の高い快適な住宅を実現することが可能です。

光熱費はどれくらいの差が出る?

国土交通省など(※1)が中心となり、大学の学識経験者及び実務者と協力して取りまとめた技術情報に基づいて作成されたWebプログラム「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」により、実際に数値を入力して計算してみました。


試算条件は以下のとおりです。

※エネルギー消費性能計算プログラムVer.3.4.0(2023.04)使用
※日射地域区分:A4区分(年間の日射量が多い地域)
※試算に用いたパラメータの設定

  • 暖房・冷房方式は共に「居室のみを暖房(冷房)する」
  • 主たる居室もその他の居室も暖房(冷房)設備機器または放熱器の種類は「ルームエアコンディショナー」でエネルギー消費効率の入力は「入力しない(規定値を用いる)」
  • 換気は壁付け式第二種換気設備、または壁付け式第三種換気設備
  • 給湯器はエコキュートまたはガス潜熱回収型給湯機で浴槽は高断熱仕様、配管はヘッダー式の13A以下
  • 照明は全てLED
  • 太陽光は真南から東および西へ15度未満、パネル設置傾斜角は30度
  • 太陽光発電の売電単価は当初10年を16円/kWh、11年目以降は8.5円/kWhで試算
  • 電気料金は東京電力における平均単価を算出(株式会社エフアンドエス・エキスパートで計算)し試算
  • ガス料金は静岡ガスにおける基本的な使用料金により試算
  • コージェネ、太陽熱、熱交換はなし

住宅性能による50年間の光熱費(電気料金、ガス料金)比較

電気料金やガス料金は使い方により大きく異なりますが、一定の条件下による試算によれば、UA値0.87(等級4)において給湯器がエコキュートで「太陽光発電なし」の場合、50年間の電気料金とガス料金の合計は1,418万円であるのに対し、UA値0.26(等級7)において給湯器がエコキュートで「太陽光発電(7kW)」の場合は747万円となり、その差は671万円です。

ただし住宅性能を高め、太陽光発電パネルを設置すれば工事代金も高額になります。しかし工事代金が671万円増えた場合でも、経済的なメリットは消えてしまうものの、「快適」や「暮らしの利便性」などが残ります。また、エアコンの設置台数を減らすことができるケースでは、今後のエアコン購入費用なども削減できる効果が期待できます。

具体的にライフプランではどれくらいの差が生じるのか、試算をご希望の方はご連絡ください。

ライフプランを作成し、貯蓄残高の差を提示致します。
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※1 国土交通省、国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人 建築研究所、一般社団法人 日本サステナブル建築協会

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