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住宅ローンは営業マンが詳しく教えてくれる!?

住宅ローンは営業マンが詳しく教えてくれる!?

「住宅ローンについては営業担当者が詳しく教えてくれるし、銀行も紹介してくれるので安心です」と言われることがあります。しかし、元住宅営業マンから言わせていただければ「非常に危険な思い込み」と言わざるを得ません。

みなさん、住宅営業担当者について誤解していませんか?試しに営業担当者に次の質問をしてみましょう。

  1. 住宅ローン減税がある間は繰り上げ返済はしないほうが得ですか?
  2. 貯金がたくさんある場合でも、金利が低いので住宅ローンをたくさん借りたほうが得ですか?
  3. 返済期間を20年、25年、30年、35年と悩んでいるのですが、最長の35年のほうが良いですか?

この質問で、1つでも「YES」という回答をした方は要注意です。結論からいえば、正しいアドバイスをするならばすべて「NO」です。銀行の住宅ローンの担当者も質問のいずれか(またはいずれも)「YES」と答えるでしょう。

質問している相手や頼っている相手は、どういう立場でどこから給料をもらっている?

住宅会社の営業担当者や銀行の住宅ローンの担当者が「ちょっと計算すれば簡単に答えが出る質問」に対して、こんな間違った回答をするのかといえば、それは両者とも「売り手側」であることが大きく影響しており、ほとんどの場合は質問に対する回答もポジショントークと言えます。

ポジショントーク(自分の所属する組織や部署に有利な情報しか話さないこと)
銀行はそもそも住宅ローンを貸し付けて利息収入を得る側ですから、たくさん貸してたくさんの利息を支払ってもらうことで会社(銀行)が儲かります。つまり銀行の住宅ローン担当者が顧客の利益になるアドバイスをできる立場にはありません。

飲食店のようにお客様が本当に美味しいと思えるものや、嬉しいと思えるサービスを提供することで、またお客様が来てくださり、結果として飲食店の利益に繋ながるような業種と違い、銀行はお客さの支払う利息や手数料が銀行の利益であり、銀行がお客様の利益を最優先し、お客様の支払う利息や手数料が少なくなるようアドバイスをすれば、銀行の利益が減ってしまう利益相反関係にあります。

だから銀行はキャッチコピーやスローガンでは「顧客第一主義」といいながらも、「銀行第一主義」にならざるを得ません。これは世の中の構造であり、銀行が悪いのでも何でもなく、私ももし銀行員であるならば会社の利益を最優先した提案で、一生懸命にお給料を稼いで自分の家族を幸せにしたいと願うでしょう。

専門家に見えるが専門家ではない

住宅営業担当者は住宅販売のプロであり、住宅に関するすべての知識を持った人ではありません。耐震や断熱を考慮した設計も、現場管理もそれぞれのプロである設計担当者や現場監督(工事担当者)が行います。住宅ローンや相続、税金、住宅購入後の家計管理などは…といえば、本来はここが営業担当者の役割だと私は思っていますが、私が知る範囲では実態として不勉強で詳しくない人が大半です。

もちろん全ての営業担当者が住宅ローンなどお金回りについて詳しくないかといえばそうではありません。しかし、営業担当者の中で住宅ローンに詳しい方と詳しくない方のどちらが多いかといえば、圧倒的に後者です。想定できる主な理由は以下の3つです。

  1. 住宅営業担当者に資格は不要
  2. 営業担当者向けの研修は売り方ばかりで住宅ローンに関する研修が無い
  3. 住宅や不動産の営業担当者の給与体系

本来は住宅会社の営業担当者は顧客の利益になるアドバイスをするべきですが、住宅会社の営業担当者の知識は銀行が研修していることも多く、銀行側の利益に偏った知識を得ている可能性は否定できません。また、銀行と住宅会社はお互いに協力関係にあり、住宅会社も銀行に嫌われることを避けるため、銀行にとって都合の良い話をしていることもあります。

まとめ

これでも「住宅ローンについては営業担当者が詳しく教えてくれるし、銀行も紹介してくれるので安心です」といえるでしょうか?

世の中の構造として「売り手側」と「買い手側」は利益が相反することが多く、住宅ローンや生命保険、投資信託の販売など、まさにその代表例です。

先ほどの3つの質問の回答がすべて「NO」なのか、ぜひ【住宅と家計のFP市川貴博「そこまで言うか〜!?」】チャンネルでご覧ください。チャンネル登録もよろしくお願いします!

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