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【住宅購入】着工中の離婚!?…住宅ローンはどうする?

【住宅購入】着工中の離婚!?…住宅ローンはどうする?

ありえないことのようで意外とあるのが着工中(または工事請負契約後)の離婚です。厚生労働省の発表 によると離婚した夫婦の平均同居期間は約11年ですから、お子さまが小さいうちに住宅を購入するケースでは住宅購入の最中に離婚してしまう確率も高い…ともいえます。

住宅ローンはどうする?

離婚したからといって住宅ローンの支払いから逃れられるものではありません。住宅ローンを借りるパターンもいくつかあり、それぞれについてデメリットを確認しておきましょう。

住宅ローンの借り方(単独債務と連帯債務)

【単独債務】
単独債務とは文字通り1人でローンを借りますが、場合によっては配偶者や親族が連帯保証人になる場合があります。連帯保証人は主債務者が返済できなくなったとき、代わりに返済する義務を負います。

例)3,000万円の住宅ローンを夫が単独で借りる

【連帯債務】
連帯債務とは配偶者や親が主債務者と共に一つのローンを返済するもので、主債務者と連帯債務者には返済義務に差はありません。

例)3,000万円の住宅ローンを夫と妻の2人で借りる(互いにいくらずつとは決まっていない)

【ペアローン】
連帯債務に似ていますが、夫婦がそれぞれ別々の住宅ローンを単独債務で借ります。これを俗にペアローンと呼んでいます。

例)3,000万円の住宅ローンを夫と妻の2人で借りる(夫2,000万円、妻1,000万円)

住宅ローンの借り方(パターン別)によるデメリット

具体的な事例を挙げてデメリットをみましょう。

例)離婚原因が夫にあり、妻と子が新築建物(所有権は夫と妻が1/2ずつ)に住み続け、ローンは夫が支払い続ける

A. 連帯債務(またはペアローン)で離婚後は夫がローンを支払い、妻が家に住み続ける

元妻が今後も住み続けるために元夫の所有権を財産分与として譲渡して欲しいと申し出た場合、元夫の所有権を元妻に譲渡するためには金融機関の承諾が必要です。正確には、所有権移転登記は金融機関の承諾が無くとも可能ですが、住宅ローンの契約が「自分が住む為の住宅購入に対する貸付」であるため、債務者本人が住まず所有権が無くなること自体が住宅ローンの契約上NGで違約となり注意が必要となります。

また、土地や建物の所有権はどうあれ、元妻が住んでいる家のローンを、今や他人となった元夫である主債務者が返済を延滞する可能性は十分にあり得ますが、その場合は連帯債務者である元妻に支払い義務が生じます。そこで、元妻が金融機関に「離婚時の話し合いで、元夫がローンを払う約束なので、私の連帯債務者という立場を解除してください」と申し立てたとしても、原則として許可されません。ただし、金融機関側は債権が回収できるかどうかが大切なポイントであるため、ローン残高が少ないなど交渉の余地がある場合もありますから交渉してみても良いでしょう。場合によっては、ローンを他の銀行に借り換えることで連帯債務者としての立場を外すことができる場合もありますが、元夫の協力がなくては実現しない点は注意が必要です。

連帯債務者としての立場が解消できず、主債務者の返済が滞れば返済義務が生じます。その支払いが困難であれば、建物や土地は担保になっているため、住み続けることができなくなってしまいます。

B. 連帯債務(またはペアローン)で離婚後は妻がローンを支払いながら住み続ける

家に住んでいる方がローンを支払うのですから何も問題は無いように見えますが、問題は所有権です。最後までローンを完済したとして、所有権は夫と妻が1/2ずつであれば、1/2は夫の財産ということになります。また返済中に借り換えやローンの金利タイプの変更などの手続きの時は主債務者と連帯債務者の同意が必要ですから、離婚後もことあるごとに連絡を取り合う必要がありますから、離婚の際に金融機関と交渉して夫の持ち分を所有権移転しておきたいところです。ただし、所有権移転ができるかは銀行の承諾が必要であるため注意しておきましょう。

C. 夫の単独債務で離婚後は夫がローンを支払い、妻が家に住み続ける

ローンに関しては夫が単独で借りているため、夫が返済を滞らせても請求が妻のところに来ることはありません。しかし、建物や土地はローンの担保になっているため、そのまま返済が滞れば強制的に退去せざるを得ない状況になります。つまり返済の請求は来ないが結果として住み続けることができない可能性があるという点では、連帯債務と変わりません。

まとめ

住宅ローンを借りて住宅を購入するケースでは、どんな借り方をしていても離婚後にトラブルにならないほうが難しいでしょう。これまでもさまざなトラブルを見てきましたが、住宅は売却してしまうのが一番良いように感じています。

離婚の手続きや権利関係については弁護士の職務範囲であり、FPである私はご相談に乗れませんが、住宅ローンについては専門分野ですからお気軽にご相談いただけます。

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