住宅会社の作成する資金計画書に物申す
2023/08/27|住宅購入
住宅を購入する際には土地売買契約書に書かれている土地代金や、建物の建築については工事請負契約書に書かれている工事代金以外にも、諸費用といわれるさまざまな費用が必要です。
諸費用の例
- 登記費用(土地所有権移転登記、建物表題登記、建物所有権保存登記、抵当権設定登記、名義人変更登記など)
- 行政手続き費用(水道加入金、道路占用、河川占用、農地転用など)
- 住宅ローン関係費用(手数料、保証料、つなぎ融資利息など)
- 税金(印紙税、土地購入時の固定資産税清算、不動産取得税など)
- 付帯工事(外構工事、カーテン工事、エアコン工事、地盤改良工事など工事請負契約に含まれない工事)
- その他(地鎮祭費用、引っ越し費用、ケーブルTV工事、インターネット配線など)
これらは、絶対にかかるものもあれば、取得する土地や住宅によってはかかるものもあります。また、金額についてもいわゆるピンキリでして、外構工事などは砕石と僅かにコンクリート打設をするだけで50万円程度に抑えてしまうケースもあれば、私が知っている中では1,000万円を超えた事例もあります。
資金計画書の役割を考える
(1)資金調達
住宅取得に「いくらかかるのか(いくらの物件が欲しいのか)」は「いくらのお金を用意できるのか」とイコールになります。今後の生活やライフプランを考えたときには、まず決めるべきは「いくらの物件が欲しいのか」ではなく、「いくらのお金を用意できるのか」を考える必要があります。資金調達は大きく分けて次の5つです。
- 預貯金
- 資金贈与
- 助成金
- 親族内ローン
- 住宅ローン
これらが、それぞれいくらになるのかを考える必要があります。
(2)総額の把握
本来は資金計画書とはその名の通り、住宅を購入する際に「資金面での計画書」ですから、まずは「いくらの物件が買えるのか?」を検討できるものでなければなりません。つまり土地代金や建物代金だけでなく諸費用も含めて総額でいくらかかるのかについてもきちんと把握できるものである必要があります。
(3)支払スケジュール
そして買う物件の価格が決まって、計画が進行している状況においては、「いつ」「いくら」のお金を支払うのかも把握できる必要があります。
(4)完済計画
住宅ローンを借りるケースにおいても、現金で購入するケースにおいても、その後に貯蓄残高が底をつかないかの確認が必要です。いくら「毎月の返済が可能」であっても、家計における収入や支出は一定ではありません。お子様の教育費が高額になるタイミングや、退職などにより収入が減ったタイミングでも貯蓄残高が底をつかないか確認しておかなければ、本当の意味での資金計画になりません。
理想の資金計画は意外と少ない…
いろいろな住宅会社の資金計画書を見てきましたが、資金計画の役割である(1)~(4)をすべて満たしている資金計画書を見たことがありません。私自身も住宅営業マン時代に自分で資金計画書を作成していましたが、いま思えば理想の資金計画書とは程遠いもので、FPとして独立後にお客様の側に立ってみて、初めて気づくことがたくさんありました。どれだけお客様の為に…と考えてみても売り手側は売り手側の目線でしかサービスを提供できないのかもしれません。
現在「マイホーム資金Navi」というものを作成し、住宅会社・工務店様に資金計画書作成サービスを提供しております。(1)~(4)までがきちんと網羅できている資金計画書を住宅会社・工務店様にご利用いただけるサービスですが、近々【個人版】マイホーム資金Naviもサービス開始の予定です。
もしも住宅取得を予定されている方で、住宅取得時の資金計画に困ったときにはご相談ください。
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