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住宅取得で軽減される土地と建物の固定資産税・都市計画税

住宅取得で軽減される土地と建物の固定資産税・都市計画税

マイホームの取得は、多くの人にとって人生最大のライフイベントです。住宅ローンや保険などの費用は念入りに検討されますが、「固定資産税」や「都市計画税」といった税金の負担については、意外と見落とされがちです。

固定資産税や都市計画税は、住宅の取得により税額を大きく軽減できる場合があります。今回はファイナンシャル・プランナーの視点から、その仕組みと注意点についてわかりやすく解説します。

固定資産税・都市計画税とは?

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋などを所有している人に課される市町村税で、税額は「固定資産税評価額 × 税率(標準税率1.4%)」で算出されます。

一方、都市計画税は、市街化区域内の不動産に課される目的税で税率は0.3%が上限です(多くの自治体では上限いっぱいの0.3%が設定されています)。こちらも固定資産税評価額をもとに計算され、通常は固定資産税と一緒に納付します。

土地にかかる軽減措置(住宅用地特例)

住宅が建っている土地(住宅用地)には、以下のような軽減措置があります:

区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(200㎡以下)評価額の6分の1評価額の3分の1
一般住宅用地(200㎡超部分)評価額の3分の1評価額の3分の2

つまり、住宅を建てることで、同じ土地でも大幅に税額が軽減されることになります。これは新築だけでなく、中古住宅を購入した場合も適用される制度です。

建物(家屋)にかかる軽減措置

土地だけでなく、建物にも新築時に固定資産税の軽減措置があります。

新築住宅の固定資産税軽減

以下の条件を満たす場合、新築後の3年間(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年間)、建物の固定資産税が居住部分で1戸あたり120m2相当分までを限度に2分の1になります。

  • 床面積が50㎡以上280㎡以下(共同住宅は40㎡以上)
  • 住宅として使用されている部分の割合が2分の1以上

【軽減期間】

  • 一般的な木造住宅など:新築後3年間
  • 耐火構造・準耐火構造の3階建以上の共同住宅(マンション等):新築後5年間

認定長期優良住宅の特例

長期優良住宅に認定されている場合は、上記の軽減期間がさらに2年間延長されます。

  • 一般的な木造住宅など:3年間 → 5年間
  • 耐火構造・準耐火構造の3階建以上の共同住宅(マンション等):5年間 → 7年間

親の土地に建てる場合も軽減される?

相続などにより親が土地(宅地)を取得した場合、既に親は自宅を所有しているケースでは、今後も使う予定の無い土地となるものの、ここにかかる固定資産税はずっと支払い続けることになります。その親の所有する土地に子が住宅を建てるケースを想定してみましょう。

親が所有する土地に、子が住宅ローンを組んでマイホームを建築する場合、「建物の所有者=子」「土地の所有者=親」となります。

土地と建物の所有者が異なっていても「住宅用地として利用されていれば」軽減の対象となるため、このようなケースでも、住宅が建っていることによって、親の支払う土地の固定資産税・都市計画税が軽減されるのです。

空き地のままでは評価額にそのまま税率がかかりますが、住宅が建つことで小規模住宅用地の軽減(200㎡以下の小規模住宅用地では固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1)が適用され、土地の税負担は大幅に減ります。子は新たに土地を購入する費用が削減でき、親は固定資産税や都市計画税が減額されるため、親子双方にとってメリットのある土地活用といえるでしょう。

軽減措置を受けるための手続きと注意点

これらの軽減措置は、自動的に適用されないケースもあり、特に住宅用地の軽減措置については、市区町村に「住宅用地等申告書」を提出する必要があります。提出期限は住宅が建てられた翌年の1月31日までです。

新築住宅による固定資産税の減額申請は「長期優良住宅」に該当するかどうかで申請方法や必要書類が異なるケースが多いようです。長期優良住宅に該当しない新築住宅の場合は「固定資産税減額申告書(新築住宅)」が必要になるケースがありますが、多くの自治体で申請不要とされており、申請が必要かどうかは自治体に問い合わせてみましょう。

認定長期優良住宅の減額措置を受けるには、新築した年の翌年の1月31日まで(1月1日に新築の場合はその年の1月31日まで)に所管行政庁への申告が必要です。

また、土地の一部にしか住宅が建っていない場合や、借地・共有地などのケースでは、状況に応じた確認と申告が必要になります。迷ったときは、市町村の資産税課や税務担当部署に相談しましょう。

<参考>東京都の固定資産税・都市計画税の軽減について

まとめ:制度を知れば税負担はここまで違う

住宅を取得すると、土地と建物それぞれに税金がかかります。しかし、制度を正しく理解し、必要な手続きを行えば、固定資産税・都市計画税の負担を数十万円単位で軽減できる可能性があります。

前述のように親の土地に住宅を建てる場合は、親世帯・子世帯の双方にとって節税のメリットがあり、土地の有効活用にもつながります。

住宅購入はゴールではなく、スタートです。取得後の維持費用を軽減するためにも、こうした税制優遇を最大限に活かすことが、賢い家計運営につながります。住宅購入時にはエフアンドエス・エキスパートにご相談ください。

※本記事は2025年5月現在の法令・制度に基づいて作成しています。各種優遇措置の適用条件や税率は変更される可能性があるため、最新の情報は必ず各自治体や税務署にご確認ください。

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