住宅の買い時はいつ!?優先すべきは建築費?ライフプラン?金利?vol.1
2024/04/05|住宅購入
住宅を購入する際に「どこの住宅会社で」「いくらの家を」買うのか、住宅ローンは「変動金利か固定金利か」で迷い、「どこの銀行で借りるのか」と迷うことはたくさんあっても、「いつ買うのか」を真剣に考える方が少ないような気がします。私も住宅会社勤務の時にそうでしたが、住宅会社や不動産業者は、いつの時代もアレコレ理由をつけて「今が買い時だ」と言います(笑)では本当の「住宅の買い時」とはいつなのでしょう?
建築費から考える
同じ住宅会社で同じ家を建てても、いつ建てるのかにより建築費は異なります。下のグラフ(図1)は1980年度から2022年度(2022年度は暫定値)までの建設工事デフレーター(国土交通省)をグラフにしたものです。建設工事デフレーターとは、国内の建設工事全般を対象として、建設工事にかかる名目工事費を基準年度の実質額に変換することを目的に国土交通省が作成・公表している指標で、建築費を指数化したものと考えると良いでしょう。これを見ると多少の上下はあるものの、過去から大きく建築費が上がっているのがわかります。
2022年度(暫定値)の木造住宅は122.3ですから1980年度の76.と比べて約1.6倍です。非木造住宅も同様です。2022年度以降は下のグラフ(図2)です。
これを見ると非木造住宅はそのまま建築費が上昇しているのがわかりますが、木造住宅を見ると2024年1月の木造住宅が121.9ですから2022年6月の125.2と比べて約0.97倍と僅かに下落しています。
まとめ
今後の建築費や住宅価格の予想は難しく、これまでのデータを見てもある一部分を切り取れば下落に見えても全体を俯瞰すれば上昇に見えることもあります。住宅購入の時期を見極める要素として「建築費が下がったところで買う」というのは相当に難しいと言わざるを得ません。
また、建築費は建築資材の価格だけではなく、その運送コストや労務費、また資材も海外から輸入しているものが多いため為替レートによっても大きく左右されます。さらには需給のバランスや建設業の2024年問題もあり、今後の人口減少や住まい方の多様化なども踏まえると、今後の建築費がどうなるのかはまったくわかりませんが…なんとなくの感覚で言えば「大幅に下がることは考えにくい」と思います。
次回は【住宅の買い時はいつ!?優先すべきは建築費?ライフプラン?金利?vol.2】として「ライフプランから考える住宅購入時期」をテーマにお届けします。
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