太陽光発電の是非を考える
2023/01/05|住宅購入
「太陽光発電はどうですか?やったほうがいいですか?」とよくご質問をいただきます。
現在の制度における太陽光発電は、屋根などに設置したソーラーパネルで発電した電力を(1)自家消費し、使用しなかった余剰電力は(2)電力会社に売る(電力を買い取らない電力会社もある)ことで売電収入を得ます。そのため、ソーラーパネルを設置した費用について、元が取れるのか?つまり損得がソーラーパネルを設置するか否かを決定する要素となっています。
(1)自家消費
発電した電力をそのまま使うだけでなく、蓄電池等を設置し余剰電力を一時的にストックしておき、発電ができない夜間などに使用することで電力会社から購入する電力量を抑える方法が一般的です。また蓄電池の代わりに電気自動車を利用するケースも増えています。通勤などで自動車を使用せず平日は自宅に止めたままという場合には、蓄電池の容量が家庭用のものより大きく、専用設備により充電にかかる時間も短い電気自動車のほうが効果的です。また災害時の非常用電力としても注目されています。
(2)余剰電力を電力会社に売る
余剰電力の買取は大手電力会社だけではありません。2016年4月の電力の小売全面自由化以降に設立された新たな小売電気事業者が、様々なメニューで余剰電力の買い取りに名乗りを上げています。電力を買い取る電力会社は、経済産業省 資源エネルギー庁のHPで確認できます(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/solar-2019after/retail_electricity_utility.html)。
太陽光発電のメリット
ソーラーパネル設置にかかる初期費用と、発電による経済的メリットを比較して損得が計算されます。現在はソーラーパネルのレンタルや、屋根貸しなど様々な方式があり、以前のような全量買取制度(※1)ではないためメリットが図りにくくなっています。
メリットの大小はさておき、パネル本体、架台、パワーコンディショナーなどの設置工事費も以前より非常に安価になっています。自治体から補助金が交付される場合もあるため、どんな方式であっても一般的には6~10年程度で元は取れるようです。経済的な面では前向きになれる要素が増えましたが、まだまだ持ち家におけるソーラーパネル設置の割合は6%程度と多くはありません。
太陽光発電のデメリット
現在は改善されているものありますが、世の中で言われる太陽光発電のデメリットは以下のように言われています。
- 売電(電力会社の電気の買い取り)については将来の約束がない
- ソーラーパネルの重量で建物に大きな負担がかかる
- 新築時で太陽光発電が最優先になると、間取りなどが制約を受ける場合がある
- 火災における危険性が指摘されている
- 建物解体時における産業廃棄物問題
特に建物にかかる負担については、新築時であれば構造計算などで回避できますが、リフォームなどで後からソーラーパネルを設置する際には注意が必要です。場合によっては雨漏りや耐震性の低下など大きなデメリットにもなります。
住宅購入の際にはぜひご相談ください。
※1 ソーラーパネルで発電した電力は自家消費できず、一旦すべて電力会社が買い取ること
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