【住宅購入】登記申請は自分でできるのか!?
2024/05/25|住宅購入
住宅購入時に資金計画を作ってみると、思いのほか諸費用が大きいことに気が付きます。しかし、住宅会社が作成する資金計画に記載されている諸費用は一般的なものであり、工夫次第ではコストを削減できるものもあります。今回はその中でも登記費用について解説します。
登記と登記申請にかかる費用
登記については法務局のホームページに記載されている文章を引用すると以下のように書かれています。
登記は、国が管理する登記簿に権利関係等を登録することにより、大切な権利や財産を守るとともに、登記簿の内容を公開することなどを通じて取引の安全や円滑に資することを目的とする制度です。例えば、不動産の所有者が変更した(所有権の移転の登記)、住宅ローンを完済した(抵当権の抹消の登記)、会社の役員を変更した(役員の変更の登記)、居住用の住宅を新築した(建物の表題登記)、売買のために土地を二つ以上に区分けしたい(分筆の登記)、新しく会社を設立したい(会社設立の登記)といった場合に、登記簿にその内容を記録することとなります。
このように登記簿に記録するためにする手続が、登記の申請です。登記は、その種類に応じて、一定の期間内に申請することが義務とされているものもありますが、何よりも、自分の権利や財産を確実に守り、また登記をしないことによる不利益を回避するためには、速やかに登記申請を行うことが重要です。
登記は原則が本人申請ですが、習慣的に土地家屋調査士や司法書士などの専門家が代理申請します。登記費用は一般的に登記に必要な税金である登録免許税と代理人の報酬ですが、登録免許税は国税ですから誰が登記申請してもかかります。それに対して報酬は代理申請する際の手数料ですから、自分で申請すればかかりません。
しかし当事者間の利害やスケジュールなどにより、関係者からは本人が申請することを嫌がられる場合もあり、自分で登記申請しても良いか事前に確認 する必要があります。法務局では登記相談 として必要書類の案内や、作成した書類を確認してもらうことができます。
①所有権移転登記(自分で登記申請✕)
土地の所有権移転登記は土地代金を全額支払った日に登記申請書を法務局に提出します。土地を売却する側は、事前に所有権移転登記をされてしまうと後で代金が支払われない可能性がありますし、土地を購入する側は代金を支払っても、後で所有権移転登記に必要な書類を揃えてもらえなければ登記申請できませんから、土地代金の全額支払いと所有権移転登記は同時に行われます。
また、その際に自己資金などで土地代金を支払う場合は良いですが、ローンで土地代金を支払う場合は、ローン実行日が土地の所有権移転登記日と同じである必要があります 。自分で書類を作成し法務局に行った結果「書類が間違っていて今日は申請できませんでした」では通りません。
そういった背景から、確実にその日に登記申請が完了できる専門家である司法書士に委任されます。本人と言えども登記申請を自分でするのは難しいでしょう。
②建物表題登記 申請(自分で登記申請○)
一般的には土地家屋調査士が報酬をもらって代理申請します。登録免許税は不要ですから、自分で申請すれば費用はほぼ0円 になります。登記申請のタイミングも比較的ゆとりがあり事前に準備をしておけば問題なく自分で申請できる登記です。その際には市区町村で住宅用家屋証明書の取得も忘れないようにしましょう。
最近ではネット上に表題登記申請について詳しく書いてあるものが多いので、チャレンジしても良いと思います。
③地目変更登記(自分で登記申請○)
不動産登記法 は、地目について変更があったときは、その変更があった日から1ヶ月以内に、地目に関する変更の登記を申請しなければならないと定めています。地目とは土地の用途による区分で、使用目的だとイメージすると良いでしょう。
地目が宅地以外の土地を購入した場合、住宅が完成することでその土地の使用目的が宅地になったのですから、速やかに地目を宅地に変更する登記申請が必要です。
特に難しい申請でもありませんし登録免許税は不要ですから、自分で申請すれば費用はほぼ0円 になります。
④所有権保存登記(自分で登記申請△)
登記記録に表題部しかない登記に初めて所有者を記録する登記です。書類作成は難しくありませんから自分で申請できますが、報酬が高額でない場合は司法書士に依頼することをお勧めします。
司法書士は建物所有権保存登記を抵当権設定登記と同時に申請しますが、後述の抵当権設定登記はご自身での申請が原則NGであるケースが一般的で、ご自身で建物所有権保存登記を申請する場合は、司法書士の行う抵当権設定登記までに所有権保存登記が完了している必要があり、スケジュールが非常にタイトになる場合があります。住宅ローンでつなぎ融資を借りているケースでは、建物所有権保存登記が遅れればつなぎ融資期間も長くなり、所有権保存登記の費用は安くなってもつなぎ融資の利息が膨らんでしまい、結果としてメリットがなかったということにもなりかねません。
⑤住所変更登記(自分で登記申請△)
土地を購入した際の所有権移転登記では、その時点における所有者の住所が記載されています。表題登記申請時に新築建物に住所を異動した際は、土地の登記記録も変更しておかないと、建物の所有者と土地の所有者の住所が異なってしまい、法務局で抵当権設定登記の受付をしてもらえません。そのために土地の住所変更登記を申請します。
登録免許税は不動産1個につき1,000円ですから、自分で登記申請すれば安くなりますが、司法書士が代理申請する場合も、あまり高額にはなりません。
⑥抵当権設定登記(自分で登記申請✕)
住宅ローンを貸す側を抵当権者、借りている側 を抵当権設定者といい、金融機関側(つまり抵当権者)は司法書士以外が登記申請することを拒むところが多いため、この登記は基本的には自分でできないと思ったほうが良いでしょう。
住宅ローン実行日以外を抵当権設定日にはできないところが多く、司法書士以外の者が登記申請することで起こるトラブルを避けたいというのが理由です。ただし、司法書士によって報酬はさまざまですから、複数の司法書士に見積もりを取り比べてみると良いでしょう。
その他登記(自分で登記申請○)
その他にも抵当権抹消登記や、建物を壊した後の滅失登記なども自分でできる申請です。期限の短くないものや揃える書類が単純なものは、ぜひ自分で登記できないかを確認してみましょう。
まとめ
住宅取得時には資金計画の作成が必須です。資金計画を作成すると「自分でやればコストダウンできる」といわれれば「自分でやろう」と決めて資金計画から予算を外してしまう方もいらっしゃいますが、いざその時点になると「忙しい」「よくわからない」などの理由で結果的に専門家にまかせてしまい予算オーバーするケースもあります。
計画はあらかじめ正しく作成する必要があります。わからないことや心配なことはエフアンドエス・エキスパートにお任せください。手軽なオンライン相談もあれば、コンサルティングメニューもあります。お気軽にご連絡ください。
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