エフアンドエス・エキスパート

055-979-8415

受付時間 9:00 ~ 19:00

【フラット35】2024年8月の金利発表

【フラット35】2024年8月の金利発表

融資率(9割以下)返済期間21~35年の【フラット35】の金利は、2024年7月の1.84%から0.01%上がり1.85%となりました。上がったとはいえわずか0.01%。市場の動向で変わる長期固定金利の場合0.01%の差は誤差といって良いでしょう。

そのほかの金利は以下の通りです。
融資率9割以下 返済期間21~35年 1.85% 返済期間20年以下 1.46%
融資率9割超  返済期間21~35年 1.96% 返済期間20年以下 1.57%

やはり来てるか…変動金利 利上げの波

2024年7月22日の日本経済新聞の記事には以下のように書かれていました。

先月は「auじぶん銀行は変動型の最優遇金利を0.01%高い0.329%にすると正式に発表」という記事を紹介しましたが、それに続きソニー銀行が利上げです。ただ、auじぶん銀行は0.01%の利上げでしたが、ソニー銀行は0.2%の利上げ…大きな波が来そうな予感さえします。こうなると、返済に影響がないとはいえません。

住宅ローンの返済額シミュレーション
試算条件 借入金額3,000万円、返済期間35年、元利均等返済

金利上昇による返済金額の差

前回も書きましたが、大切なことなのでもう一度書きます。
10年固定などの長期金利は市場の動向(10年国債の価格変動)により毎月フラフラと変わりますから0.1%程度の上下は誤差みたいなもので、その時点では良い事とも悪い事ともいえませんが、問題は変動金利を上げる銀行がいくつも出てきた…ということです。これは金利が0.01%上がったとか、0.2%上がったことによる返済額の上昇ではなく「方向性が変わった」という問題です。

変動金利は一貫した方向性を持つ

変動金利の住宅ローン金利が上がる仕組みは何度もお伝えしているとおり、以下の順に金利が動いたときに結果として住宅ローン金利が動きます。

  1. 日銀が政策金利(無担保コール翌日物レートの誘導目標=基準貸付利率)を決定する
  2. 無担保コール翌日物レートが動く
  3. 短期プライムレートも動く
  4. 変動金利の基準金利が動く

※変動金利の住宅ローン金利は一般的に短期プライムレートに連動(※連動しない商品もあります)します。

日銀の政策金利は、毎月のように上げたり下げたりを頻繫に繰り返すことはなく一定の方向性を持ちます。上げたらしばらくは上がりますし、下げたらしばらくは下がります。これは過去の短期プライムレートの推移を見ても明らかです。ちなみに、現在はまだ1の日銀が「政策金利を動かせる状況にした」段階で、実際には2009年1月13日以降ずっと変わっていません。

過去の金利(短期プライムレート、無担保コールO/N物、変動金利の基準金利):日銀ホームページを参考に株式会社エフアンドエス・エキスパートが作成

しかし、短期プライムレートに1%プラスした金利が銀行の発表する変動金利の基準金利とはなるものの、そこから銀行独自の金利引き下げ(値引き、または金利優遇とも呼ばれている)があり、2024年6月の短期プライムレートは1.475%で、そこに+1%した2.475%が変動金利の基準金利となり、たとえば金利引き下げを2.1%としている銀行では、変動金利の貸付金利は0.375%となります。

つまり、1~4が動かなかったとしても、銀行独自の金利引き下げをイジれば、変動金利の貸付金利はいとも簡単に動いてしまうのです。

観測気球とキャッチコピー「金利のある世界」

政治的に使われる観測気球(trial balloon)は、政府や政治家が新しい政策や意見を世論に試してみるために使う手法です。具体的には、ある政策や意見をメディアや公の場であえて発表(またはリーク)し、国民や他の政治家、関係者からの反応を見て、それに基づいてその政策や意見を実行に移すかどうかを判断します。

観測気球の特徴と目的

  1. 反応を見る: 新しい政策や意見が国民にどのように受け取られるかを知るための手段です。肯定的な反応が多ければ、その政策を進めやすくなりますし、否定的な反応が多ければ、その政策を再考する機会となります。
  2. リスクの軽減: 政策や意見が失敗した場合のリスクを減らすことができます。観測気球を使うことで、直接的な批判を避けることができ、必要ならばその政策を撤回することも容易です。
  3. 議論の誘発: 観測気球を使うことで、社会やメディアに議論を喚起し、政策に対する意見を集めることができます。これにより、政策の実行前に多様な視点や意見を考慮することができます。

日銀が「マイナス金利解除」を発表した際にどこからともなく出てきた「金利のある世界」という言葉。これは「みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部」が名付け親で、今後、段階的に金利が上昇していく経済状態を「金利のある世界」と名付けたと公表しています。

これ以降「金利のある世界」が広く使われており、さまざまな議論の対象となり、また個人が「これから金利が上がるかもしれない」という意識を持ち始めています。

まさに観測気球の役割を果たしているのが「金利のある世界」ともいえます。

固定金利を借りる人が増えている!?

こうした背景からか、住宅金融支援機構によると、昨年相当に落ち込んだ【フラット35】の申込件数が、この数ヶ月で相当に増えているそうです。

2024年3月18日・19日に開かれた金融政策決定会合で、日銀が2013年から続けてきた「「量的・質的金融緩和」も「マイナス金利」も「イールドカーブ・コントロール」も全部解除となり、これを受けてテレビもネットも「マイナス金利解除」「金利が上がる!」と煽ったためか、これから住宅ローンを借りる方も既に借りている方も固定金利を希望する動きが活発にになりました。

実際にエフアンドエス・エキスパートにも借り換えのご相談やご依頼も増えています。

固定金利の【フラット35】はどうなる!?

気になるのは為替です。2024年6月26日ニューヨーク外国為替市場では円相場が1ドル=160円80銭台まで下落し、37年半ぶりの円安水準を更新しました。為替が動く要因はいくつもありますが、やはり日米の金利差を埋めないことには根本的な解決にならないように思います。昨年10月のコラム「【フラット35】2023年10月の金利発表」でもお伝えしている通り、「金利が低い国で借金して金利が高い国へお金を持っていけば何もしないで儲かります」から、みんなが「日本円で借金し、その円を売ってドルを買ってドルで預金する」をやれば、そりゃ円安になりますよ(笑)

これを解決するならアメリカに金利を下げさせるか、日本が金利を上げるか…どちらかですが、日本はアメリカに「金利を下げろ」なんて言えませんから(笑)日本が金利を上げるしかないでしょう。

つまり長期金利(固定金利)は上がるしか道がありませんし、そうなると国内での長短金利差も拡大することから、短期金利(変動金利)も上がるしか道は無いように思います。

お時間がありましたらこちらの動画もご覧ください

長期金利が上がる理由を分かりやすく解説しています

まずはご相談ください

いま借りている住宅ローンをどうするべきなのか?非常に大切な局面と言えます。「そんなにすぐに変動金利は上がらない」「金利が上がってもたいしたことはない」「金利が上がっても放っておけばいい」と無責任な発言をする人もいますが、未来のことは誰にもわかりませんし、家計の状況や借入金額などによっては慎重な判断が必要な場合もあります。

◆住宅ローンのご相談はこちら
住宅取得に関するオンライン相談を開始します

◆変動金利のルール解説については⬇️こちら
住宅ローン 変動金利 チョ~厳しい!? 知らなきゃマズイ!? 4つのルール【住宅と家計のFP市川貴博「そこまで言うか~!?」チャンネル】

◆【フラット35】の融資申込みや、住宅ローンのご相談はエフアンドエス・エキスパートにお任せください。
⬇️⬇️⬇️
ご相談はこちらから

お問い合わせ

Contact