源泉徴収票から手取り収入を計算
2023/03/31|家計管理
家計管理におけるキャッシュフロー表作成や、住宅ローン相談にお持ちいただく源泉徴収票ですが、給与所得控除後の金額が手取り収入だと勘違いされている方が多いようです。
「違いますよ」と私がいうと「えっ!では手取り収入はいくらですか?」と聞かれることがあります。
実は、税理士法により、個別具体的な税額計算は税理士の独占業務でり、有償無償を問わず私たちFPは計算してはいけないことになっています。もちろん計算の仕方は知っていますから計算方法をお教えするのですが、だいたいは「そこまで説明するなら計算してくれればいいのに」と言われますし、たぶん言わなくても思っているでしょう(笑)
そこで、税金の知識が無くてもご自身で手取り収入が計算できるエクセルシートがあったら便利ですよね?ということで作りました。
↓こちらからダウンロードしてご利用ください
ポイントは最大税率
このシートでは手取り収入の計算だけでなく、最大税率も表示されるように改良しています。最大税率が必要な理由は、夫婦共働き世帯で以下のような状況で役立つためです。
- 医療費控除は夫と妻のどちらがやるべきか?
- 夫婦共有建物の地震保険は夫と妻、どちらの名義で契約すべきか?
- 子どもや親は夫と妻のどちらの扶養にすべきか?
などと迷ったときに役に立ちます…というと「別に迷わないけど」と言われるかもしれませんが、夫婦のどちらにするのかにより損得が発生する可能性があります。
1~3はいずれも所得控除といって、医療費控除は一定額以上の医療費を支払った場合、地震保険料控除は地震保険料等を支払った場合、扶養控除は控除対象の扶養親族がいる場合に所得が控除され、税金を掛ける対象(課税対象)を小さくしてくれます。
所得税の税率は超過累進税率といって、課税対象が大きくなればなるほど税率(5%~45%)も上がります。そのため夫婦でも所得税率が同じとは限りません。また、収入が大きいほうが課税対象も大きいとは限らず、収入が同じような夫婦の場合、所得控除の額により収入の小さなほうが課税対象が大きいなんてこともあります。
税率により還付される金額が違う
たとえば所得税率が5%の方が医療費控除で50万円を確定申告すると、還付される所得税は50万円×5%=2.5万円ですが、もし10%の税率の方が医療費控除で50万円を確定申告すると、還付される所得税は50万円×10%=5万円です。いかがでしょうか?10%の税率の方が確定申告したほうが得ですよね。
このエクセルシートを使えば、ご夫婦のどちらが税率が高いか判断でき、医療費控除や地震保険料控除(地震保険の契約者)、扶養控除を最適な方法で適用することが可能となり、節税効果を最大限に活用できるでしょう。
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