2025年の家づくり:【子育てグリーン住宅支援事業】とは!?
2025/02/11|住宅購入

◆選択すべきはGX志向型住宅?長期優良住宅?ZEH水準住宅?
日本政府が進める「子育てグリーン住宅支援事業」は、住宅の省エネ化を通じてカーボンニュートラルを目指す政策として注目を集めています。しかし、その前身ともいえる「子育てエコホーム支援事業」や「こどもみらい住宅支援事業」と比較しても、政策の実効性や目的達成への道筋について疑問が残る点が少なくありません。
これまでの住宅支援事業(補助金制度)
2021年に登場した「こどもみらい住宅支援事業」ではZEH住宅や認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4の性能を有する住宅といった断熱性能の高い住宅が対象となっているのに対し、2022年の「こどもエコすまい支援事業」では対象住宅がZEHレベルの高性能な住宅に限定され、そして2023年からの「子育てエコホーム支援事業」では、ZEH水準住宅よりも長期優良住宅に高額な補助金が設定されるなど、制度自体の迷走ぶりも露呈されていました。(詳細はコラム:「今後も続くのか?子育てエコホーム支援事業」をご覧ください)

また、これらの事業に共通する課題として、実際の補助金額が工事費用に対して十分でなかった点が挙げられます。たとえば、高断熱窓の設置や高効率給湯器の導入には、多くの場合で数百万円以上の費用がかかるにもかかわらず、補助金はその一部にとどまりました。このため、経済的な余裕がある世帯のみが恩恵を受けられる結果となり、支援策が制度の名称にもなっている子育て世帯や若年層には利用しにくいという批判もありました。
子育てグリーン住宅支援事業
この制度では補助金の対象となる住宅が、GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅と3タイプに分かれており、それぞれの補助金額の詳細は表 2のとおりです。

「子育てグリーン住宅支援事業」でも、これまでの課題を克服しようとする意欲は感じられず、断熱等性能等級が同じである長期優良住宅とZEH水準住宅には補助金額で大きな差があり、住宅の省エネ化に本腰を入れているようには見えません。また、既存建物の解体を伴わない新築住宅では、GX志向型住宅と長期優良住宅で80万円の差がありますが、長期優良住宅をGX志向型住宅へアップグレードする際にかかる費用が大幅に膨らんでしまうケースでは、「長期優良住宅のほうが得だ」という意見も出てしまうでしょう。
GX志向型住宅とは
GX志向型住宅の要件は、次の①②③すべてに適合するものです。
① 断熱等性能等級「6以上」
② 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」
③ 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」
①~③の基準を満たすためには、断熱材や窓の高性能化が必須であり、②の基準を満たすためにはエネルギー効率の高い設備の導入も必要です。また③の基準を満たすためには太陽光発電システムに限定されていませんが、現状における選択肢はほぼ太陽光発電システム一択であるなど、建物の高額化は避けられません。
さらにGX志向型住宅を建築する際には技術的な知識や設計の専門性が求められます。このため、消費者が単独で取り組むのは困難であり、専門家や住宅会社・工務店との連携が不可欠です。
(詳細はコラム:「【GX志向型住宅】の背景とメリットや注意点」をご覧ください)
対象住宅はどれがいい?
省エネルギー性能が一番高くなるのはGX志向型住宅です。長期優良住宅やZEH水準住宅に求められる断熱等性能等級が「5以上」であるのに対してGX志向型住宅は「6以上」となっています。結果的に生活費における光熱費が安いだけでなく、住まいの快適さや健康面での質の向上が期待できます。ただし、それなりに費用が高額になることは覚悟しておきましょう。
ZEH水準住宅を選択した場合、基本的なコンセプトはGX志向型住宅と同じではありながら、性能値がワンランク下になるとイメージすると良いでしょう。ある程度の省エネルギー性能を確保しつつも、できるだけ建築費を抑えたい場合などには有効な選択肢といえます。
長期優良住宅はGX志向型住宅やZEH水準住宅とはコンセプトが異なり、住宅のスクラップ&ビルドを抑制するため「長期にわたって良好な状態で住める住宅」であることが求められ、省エネルギー性だけでなく耐震性や可変性、バリアフリー性、災害配慮など10の性能項目をある一定基準でクリアした住宅が認定の対象となります。「各方面にバランスの良い住宅」でもあります。
結果として、すべてが同じ住宅性能ではないため、ご自身の住宅に求める性能がどのようなものなのかを改めて認識したうえで決定する必要があります。また、住宅会社・工務店によっても住宅の標準仕様や性能値を上げた場合の追加工事代金も異なるため、詳細は弊社エフアンドエス・エキスパートにご相談ください。
また、補助金の対象となる期間など詳細は公式ホームページをご確認ください。
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