住宅の買い時はいつ!?優先すべきは建築費?ライフプラン?金利?vol.2
2024/04/06|住宅購入
住宅を購入する際に「どこの住宅会社で」「いくらの家を」買うのか、住宅ローンは「変動金利か固定金利か」で迷い、「どこの銀行で借りるのか」と迷うことはたくさんあっても、「いつ買うのか」を真剣に考える方が少ないような気がします。私も住宅会社勤務の時にそうでしたが、住宅会社や不動産業者は、いつの時代もアレコレ理由をつけて「今が買い時だ」と言います(笑)では本当の「住宅の買い時」とはいつなのでしょう?今回は前回に続く第2弾です。
ライフプランから考える
金銭的な事情を考慮しなければ住宅取得は早ければ早いほど良いという考え方もあります。早くに住宅を購入するメリットは次のようなものがあるでしょう。
- 購入した住宅に子どもと一緒に住める期間が長くなる(子どもが大学入学時に家を出ることが多いため)
- 趣味のための住宅購入であれば若い時から趣味を楽しめる
- 住宅購入が家族の夢や願いであれば早々に夢や願いが叶う
- 現在の住宅(賃貸や社宅、親の家に同居など)に不満がある場合、早期にその不満を解消できる
- 二世帯住宅の場合には早期に経済的なメリットが発生する
ほかにもまだまだあるかもしれません。ぜひ皆さんにとってのメリットは何かを考えてみてください。
早くに住宅を購入するデメリットもあります。たとえば…
- 住宅の経年劣化により将来に建て替えや大規模修繕が発生する
- 家族構成に変化があり家がライフプランに合わなくなる(子ども部屋を2つ作ったが子どもが3人になった、二世帯住宅を建てたが早くに親が亡くなってしまった)
- 転勤などにより購入した住宅に住めない
- 趣味や住みたい場所が変わったが、購入した住宅が足枷になり住み替えができない
ほかにもマイナス面がたくさんあるでしょう。物事は良い面だけでなく悪い面も同時に考え、天秤にかけてみる必要があります。
また、「早く住宅ローンを借りれば、早く返済が終わる」と言われますが、実は必ずしも正しいとは言えません。
住宅ローンの嘘!?本当!?
「早く住宅ローンを借りれば、早く返済が終わる」のは、借入金額も返済期間も同じ場合という前提条件により成立する理屈です。実際には住宅購入が1年遅くなればその分自己資金(頭金)が貯まり住宅ローンの借入金額が少なく済みます。さらに住宅ローンの借入金額が減れば、もともと返済が可能であった金額を返済るのであれば返済期間を短縮できます。
事例:購入予定金額4,000万円、現在の自己資金400万円、毎月の返済許容金額 月額12万円
◆ 今すぐ購入:住宅ローン借り入れ3,600万円、金利1.82%、35年返済で月々の返済は約11.6万円
◆ 2年後に購入:2年で200万円自己資金が増えたので住宅ローン借入は3,400万円、金利1.82%、返済期間32年で月々の返済は約11.7万円
結果として2年後に住宅を購入したほうが返済は1年早く終わります。しかも借入金額が少なく返済期間が短いため支払う利息は約182万円少なくなります。
もちろん金利上昇などにより結果は変わりますが、変動金利を借りるのであれば結論はほぼ変わりません。
ただし、返済期間はやたらと短くすれば良いというものでもありません。お子様の教育費が重なるタイミングに住宅ローンの返済が重なり、貯蓄残高が底をついてしまうかもしれません。それを避けるためには損と分かっていても敢えて返済期間を延ばしておくような対策も必要です。詳しくはYouTubeチャンネル「そこまで言うか~!?」【住宅ローンは〇年返済が最適!?】でご確認ください。
まとめ
ライフプランには「イベント」や「想い」「夢」の実現に加えて「お金の計画」が含まれます。損得を優先するのか?「想い」や「夢」を優先するのかを決定するのはライフプランを描くみなさんご自身です。
家族で話し合うことも大切ですが、結論ありきの家族会議にならないよう注意しましょう。「いますぐ家が欲しい」という思いから家族会議がスタートすると「いますぐ家を買う」という結論に誘導するような話し合いにならないとも限りません。そうならないように第三者の意見を参考にするのも大切です。エフアンドエス・エキスパートではライフプランの作成と同時に住宅購入に関するご相談をお受けしています。住宅購入の時期を決定するための要素としてご利用ください。
次回は【住宅の買い時はいつ!?優先すべきは建築費?ライフプラン?金利?vol.3】として「住宅ローン金利から考える住宅購入時期」をテーマにお届けします。
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