【注文住宅】住宅会社とのトラブル事例と対策
2024/07/13|住宅購入
カタチのない住宅を理想の通りに作り上げていくような注文住宅では、お互いに認識の相違や、お客様によっては「住宅購入は一生に一度!」という強い思いも手伝ってか、残念ながら住宅会社とお客様の間にトラブルが発生するケースがあります。
なぜトラブルが発生するのか?どうしたらトラブルを回避できるのか?具体的に考えてみましょう。
住宅会社とのトラブル事例と対策
着工中に起こる住宅会社とのトラブルは、大きく分けて次の3つです。
(A)あらかじめ対策できるトラブル
(B)発生を防ぐことのできないトラブル
(C)本来はトラブルではないにも関わらず顧客側がトラブルと思い込んでしまう
いくつかトラブル事例を挙げてみますので、(A)~(C)のいずれになるのかを考えてみましょう。
(1)建物がイメージと違う
着工すると完成に近づくにつれて、着工前に図面やCG、担当者の説明でイメージしていたものが、実体となって目視できるようになります。これまでのイメージと実際に見たものの差が良い方に向いていれば問題ありませんが、悪い方向に大きく乖離していると、購入者側の不満となって段々と積み上がっていきます。
◆一般的に発生するイメージが違った事例
(ア) 広さや高さなどの寸法に関するもの
(イ) 色や質感(カタログやCG、サンプルとの違い)
(ウ) 図面がない造作工事(幅木、廻り縁、手すり、2Fバルコニーの出入り口またぎ等)
(エ) 使い勝手(照明器具の取付位置、扉の開き方向、)
(オ) 日当たり
(カ) 専門用語(土台、造作、逃げる等)
◆原因
すべて確認不足から発生します。本来は住宅会社が事前に1つずつ丁寧に説明してくれれば良いのですが、住宅会社はある程度のことは説明するものの、建築のすべてについて説明することは不可能です。また、担当者は「打ち合わせが順調に進んでいる=すべてを理解してもらっている」と思っています。
◆対策
あらかじめ現場をたくさん見ておき、広さや高さを体感しておきましょう。たとえば図面でリビングが16帖と書いてあった場合、16帖のリビングを実際に見に行きましょう。くれぐれも18帖のリビングを見て「これより2帖分少ないだけです」と説明され納得することの無いようにしましょう。
また、専門用語は積極的に確認しましょう。専門用語だと思わない専門用語もありますが、認識の齟齬が無いかどうかを丁寧に確認することでしか対策できません。
(2)工事内容が打ち合わせと違う
着工中の現場に行くと、打合せと違う施工になっていて戸惑うこともあります。何しろ打ち合わせの項目も膨大で、自分が打ち合わせ時にした決定にも内容もハッキリ覚えていないこともあり、そのまま受け入れて放置してしまうケースもあるようです。また、打ち合わせと違うことに気付かず完成してしまい、結果として受け入れざるを得なくなるなど、トラブルになる場合もあります。
◆施工ミスの事例で気付きにくいもの
(ア) 開口部(窓)のサイズ違い
(イ) 電気配線(スイッチと連動する器具が違う)
(ウ) キッチン扉の色違い
(エ) フローリング(フロア材)の貼り方向
◆施工ミスが発生しやすい事例
(オ) ガラスの種類(透明、カタ)
(カ) ビニールクロスの色や柄
(キ) 照明器具(ダウンライトなど)
(ク) 外壁材の色、柄
◆原因
特殊な施工は図面が詳細に書かれることも多く、また現場の担当者からも注意喚起などがされるためミスの発生頻度は低くなります。一般的な施工の場合は特に注意することなくいつもどおりに施工してしまい、ちょっとした変更などを見落としてしまうことによりミスが発生しやすいようです。
また、次の原因により現場の作業は正しくとも、打ち合わせと違っていることが起こります。
① 最新図面が現場に配布されていない
② 打ち合わせ記録の内容が現場に伝わっていない
③ 工務担当などの現場担当者が打ち合わせ内容を理解していない
◆対策
顧客側には何の落ち度もありませんが、自己防衛の意味を込めて現場をきちんと確認することをお勧めします。また、頻繁に現場に行けない方は、設計事務所に現場監理を依頼する方法で対策することも可能です。
(3)工期が守られない
工事請負契約に定められた工事期間どおりに進まないケースも多いようですが、相応の理由から工期を原因にトラブルに発展させないほうが良いでしょう。
◆原因
工期が守られない原因の事例として①~⑥のような原因があります
① 住宅会社は工期をあまり気にしていない
② 業者や資材の手配について段取りが悪い
③ 天候(長雨や台風被害、大雪など)
④ やむを得ない事由による材料、資材の調達遅れ
⑤ 工事請負契約が早く仮の工期のままになっており、実際の工期が打合せされていない
⑥ 業者手配がつかない
◆対策
住宅会社の怠慢により工期が延びるのは問題外ですが、それ以外の原因により工期が延びるのは仕方ないと割り切りましょう。
もし住宅会社に対して強引に工期を守るよう交渉した場合、誠実な住宅会社ほど、大工を複数組投入したり、職人さんに工期を早めるよう強い指示をしたり、できるだけ工期に間に合わせるよう努力をしますが、これが完成する住宅の品質に良い影響がないことは言うまでもありません。
(4)実際の支払いや工事代金が資金計画からズレていく
土地の購入や建物の着工と工程が進むに連れて、資金計画に記載されている予算が確定金額へと変わります。実際にかかった金額が予算を超える項目ばかりだと、その後の支払いも不安になります。
◆原因
これまでに支払った業者の問題ではなく、資金計画を作成した住宅会社の営業担当者に問題があります。
※資金計画については他のコラムもご覧ください
【住宅会社の作成する資金計画書に物申す】
【事例で学ぶトラブル回避策(テキトー資金計画 編)】
◆対策
住宅会社の営業担当者任せにせず、正しく資金計画を作成しましょう。
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