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新NISA!?iDeCo!?投資一色の危険性!?

新NISA!?iDeCo!?投資一色の危険性!?

2024年からNISA制度が大きく変わり、いままで株式や投資信託を買ったことの無い人が運用を始めています。これはとても良いことであり、日本の金融資産が今後大きく増える可能性があり、生活者がより豊かになる第一歩であると感じています。

金額ではなく収益率に注目

しかし不安なこともたくさんあります。まずお金を運用する際の投資対象ですが、何を買うのかによって結果は大きく変わります。つまり運用で大切なのは「何を買うのか」であり、「NISAとiDeCoのどちらが良いですか?」ではないのです。

2024年3月4日に初めて4万円台に突入した日経平均株価はそこからさらに最高値を更新しています。みなさん、ニュースで聞く「株価」ばかりに気を取られがちですが、運用で大切なのは「株価」ではなく、どれくらい儲かるのかである「収益率」です。日経平均株価が3.9万円から4万円になったというとすごいことのように聞こえますが上昇率はわずか2.56%程度です。つまり100万円を投資したとしても2.56万円しか増えません。しかし、日経平均株価がスタートした1949年の終値110円から翌々年の1951年の終値166円は上昇率51%ですから、100万円の投資に対して51万円も増えたことになります。つまり今よりすごいことが過去に度々起こっていたのです。

下のグラフは1950年から2023年までの日経平均株価(その年の終値)の推移と対前年収益率を表したものです。

青い棒グラフは対前年プラス、赤い棒グラフは対前年マイナスを表していますが、プラスに注目すると対前年100%を越えたのが1952年、さらには20%を越えた年も何回もあります。しかしマイナスに関しては対前年40%以上のマイナスとなったのは2008年のリーマンショック時のみで、ほとんどが20%以内のマイナスであることや、概ね3年に2回はプラスになり、3年に1回くらいはマイナスになることがわかります。これを平均してみると平均収益率は11.29%でブレやリスクを表す標準偏差は27.39%と計算できます。

運用において大切なのはリスク管理

日経平均株価の期待収益率が11.29%だからといって、毎年必ず11.29%の儲けが発生するものではありません。前述の通りリスクが27.39%であり、良い時も悪い時もあって平均すると11.29%の儲けだということです。

では定期預金のように利率は小さいが必ず示された利率で増える商品はどうでしょう?

下の表は1984年から2023年までの40年間に渡り日経平均株価で運用した場合と、40年間は金利3.5%の定期預金(そんなもの存在しませんでしたが)で運用した場合を比較したグラフです。

これを見ると、40年後の運用結果が同じであることに気づきます。

日経平均株価は過去平均11.29%ですが1984年からの40年間だけを見ると平均収益率は6.13%です。それに対して定期預金は3.5%の固定金利…数字だけ見れば日経平均株価のほうが遥かに儲かりそうですが、日経平均株価は「毎年必ず3.5%で儲かる商品」には敵わないのです。

これはリスクによる違いが大きく影響しています。リスクという言葉を日本では「危険」などという意味で使うことが多いですが、運用の世界では「収益率のブレ幅」を指し、儲かるときと損をするときの差が大きいものをハイリスク、小さいものをローリスクと呼びます。そういう意味では預貯金にブレなく3.5%で利息が付くのであればリスクゼロの金融商品とも言えるのです。

学ばぬ投資に成功ナシ!?

アメリカにおいては2022年3月から利上げが開始され、それに伴い株式市場も低迷していきました。たかだか0.25%の利上げがなぜ株価に影響するのか?株式での運用のほうがはるかに儲かる可能性が高いのではないか?と思われた方も多いと思いますが、それはリスクの無い0.25%リスクのある株式運用の違いを市場参加者は知っているからです。

累計利益64億円ともいわれる投資家のテスタ氏は「負けなければ自ずと勝ちになる」と言っていますが、これはリスク(運用におけるブレ幅)を限りなく小さくすることの大切さを表している言葉だと思います。

現在の新NISAへ新規参入した方の中には、投資について勉強せずSNSで「S&P500が良い」といわれればS&P500を買い、「オルカンが良い」といわれればオールカントリー(全世界株)を買う人も多いように感じます。しかし本当にそれが最適解かは人により異なります。また資産のすべてを「S&P500」に突っ込んで良いはずもありません。

まとめ

お金の運用は大切なことですが、それだけに運用のための勉強も大切です。SNSでたくさん情報が取れる時代になりましたが、偏った情報や間違った情報も数多く存在します。ぜひ基本からしっかり学びましょう。

お金の運用に関するご相談エフアンドエス・エキスパートにお任せください。従業員向けの研修もお受けしております。

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