事例で学ぶトラブル回避策(打合せ 編)
2023/06/08|住宅購入
注文住宅購入時におけるトラブルは多岐にわたります。前回お伝えした資金計画に関するトラブルを筆頭に、契約内容の確認、営業担当とした約束の履行、報告・連絡・相談、工事中の追加変更など数えるとキリがないくらいですが、中でも多いのが打ち合わせに関するトラブルです。
トラブルを未然に防ぐことは可能ですが、それにはトラブルの原因をすべて住宅会社のせいにはせず、自分には何ができるのかを知り、先手を打って行動する必要があります。
お客様の訴え
「打ち合わせがいつも唐突で、打ち合わせの内容を聞いたその日にサンプルやカタログの小さい写真のみで決定を迫られます。事前に打ち合わせ内容を知っていれば休日にショールームをまわったり近所の家を見てみたり、いくらでも対策ができたのに。カタログやサンプルなども事前にいただきたかったです。」
100%仰るとおり!
お客様の住宅購入は一生に一度の大きな買い物であり、ましてや注文住宅を希望される方は建物に対する思い入れも強いのが当たり前です。それを突然打合せを申し出てきて決定を迫られる…そりゃぁトラブルになります。
お客様と営業担当者の建築に対する想いの違い(問題点)
一般論ですが、お客様は手間暇かかろうが時間がかかろうが理想の住宅を建築するために労力を惜しみません。しかし営業担当者は建物の建築工程を進めるのが仕事ですから、できるだけ手間暇かけたくないですし、想定以上に打合せに時間をかけたくありません。会社員としての労力は惜しみませんが、予定している工事工程を逸脱したくないのが本音です。
もちろん営業担当者も「良い住宅を建てたい」という思いは同じですが、そこにどれだけの手間や時間をかけられるかという想いが違うのです。
また、住宅会社によっては実際の建築を担当する業者・職人の手配のため、先に着工や完成の時期が決まっている場合もあります。あるいは、建物の工事が進まないと工事代金の支払いを受けられないため、工事工程に関する管理が厳しい場合もあります。
だから営業担当者から「今週中に打ち合わせできませんか?」「今日中に決めてください」という言葉が出るのです。買い手側ではなく売り手側の都合で一生に一度の家づくりの工程が決められてしまうのは、とても残念でなりません。
エフアンドエス・エキスパートが住宅会社にお願いしたコト
打ち合わせの仕方は次の(A)(B)どちらかが理想的です。
(A)打ち合わせの内容、全体スケジュールを事前に通知し、打ち合わせの準備をしてもらう
(B)打ち合わせの回数を増やし、打合せ日=決定日ではなく1回目は打ち合わせの内容の通知と詳細説明・提案のみとし、2回目に決定するというプロセスを打ち合わせの項目ごとに繰り返す
住宅会社の皆様、ご覧いただいておりましたら、ぜひ実践をお願い致します。
この事例における対策
打ち合わせはお客様にとって、とても大切で楽しい時間です。一生に一度の家ですからデザインや使い勝手などこだわりたいことがたくさんあって当然です。しかし、実際には工期や打ち合わせ担当者のスケジュールなどが優先され、提案(打ち合わせ)即日決定を迫られることが多いようです。
お客様が打合せの期間をしっかりと確保するためには、事前に打ち合わせ内容(項目)とスケジュールを確認し、こだわりがたくさんある場合や、家族間の調整などが難しそうであれば、あらかじめ打ち合わせスケジュールを長めに設定しておくことが大切です。さまざまな打ち合わせは工事請負契約の後になるため、全体工期を守るためには、打ち合わせスケジュールの確認は工事請負契約前にしておくことが大切です。
つまり「打ち合わせの期間き○月あたりまで取っていただき、じっくりと検討する機会が欲しい」と工事請負契約前に宣言し、住宅会社の同意を得ておくことが対策となります。
詳しくはこちらからご相談いただくか、FPI-J.TVの「失敗しない住宅購入実践塾(第15回、第16回)」でも解説しています。ぜひご覧ください。
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